1996 Fiscal Year Annual Research Report
Leuconostoc属細菌におけるプラスミドDNAの機能解析
Project/Area Number |
08660332
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮本 拓 岡山大学, 農学部, 助教授 (00093708)
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Keywords | Leuconostoc mesenteroides / プラスミドDNA / クエン酸透過酵素 / クエン酸分解酵素 / ラクトース分解酵素 / プラスミド欠落株 / デキストラン発酵 / 乳業用乳酸菌 |
Research Abstract |
Leuconostoc属細菌にはクエン酸分解能,デキストラン発酵能あるいはバクテリオシン生産能などを有する菌種が知られており,乳業分野のみならず食品の発酵において応用範囲の広い乳酸菌である。本研究は,乳製品のフレーバーやテクスチャーの改善に寄与すると考えられるLeuconostoc mesenteroidesの2菌株について,それらの各種代謝機能とプラスミドDNAとの関係を明らかにすることを目的とした。供試菌株は筆者らの研究室で分離したLeuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides OR-2(15および36Mdalプラスミド保有)とLeuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum6-1-9(13,18,27および39Mdalプラスミド保有)を使用した。まず,アクリジンオレンジ処理の後,各種選択培地を使用して代謝機能欠損株の分離を試みた。その結果,OR-2株ではクエン酸代謝能欠損株(Cit^-)を,そして6-1-9株ではラクトース代謝能欠損株(Lac^-)を単離した。アガロースゲル電気泳動によると,OR-2株のCit^-株では15Mdalプラスミドの欠落が,6-1-9株のLac^-株では39Mdalプラスミドの欠落が認められた。プラスミド欠落株の酵素学的性状について比較したところ,OR-2株はクエン酸透過酵素およびクエン酸分解酵素活性を保持していたが,15Mdalプラスミド欠落株はクエン酸透過酵素活性を欠いていた。一方,6-1-9株ではラクトース分解酵素活性が検出されたが,39Mdalプラスミド欠落株では検出されなかった。さらに各種糖代謝能を検討した結果,6-1-9株の39Mdalプラスミド欠落株は,ラクトース代謝能に加えてガラクトース代謝能の欠損も観察された。しかしデキストラン発酵能とプラスミドとの関係を明らかにすることはできず,今後の検討が必要である。Leuconostoc属細菌の保有するプラスミドの機能については報告が少なく,本研究の結果はこの細菌を発酵乳製品用のスターターとして応用する上で有益な情報を提供している。
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