1996 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸桿菌の培養過程中の乳蛋白質分解とその分解に関与するプロテアーゼに関する研究
Project/Area Number |
08660334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
井越 敬司 九州東海大学, 農学部, 教授 (80148973)
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Keywords | L.bulgaricus / 発酵乳 / プロテアーゼ / ペプチド / カゼイン |
Research Abstract |
乳業用乳酸菌、特にL,bulgaricusの乳中での生育機構を明らかにするため、本研究では次のような実験成果を得た。 1、L.bulgaricusが使用されている発酵乳ヨ-グルトの乳蛋白の分解について電気泳動で調べた。その結果、乳蛋白カゼインは顕著な分解は認められず、また明瞭な分解産物も検出されなかった。しかし、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でペプチドを調べた結果、多数のペプチドが見出された。これらペプチドの一次構造をアミノ酸組成とN-末端配列から決定したところ、その多くはβ-CN由来のペプチドであった。また、決定されたペプチドはβ-CNの40-100と160-209残基の二つの領域に局在していた。k-CN由来ペプチドも同定されたが、as1-とas2-CNからは見出せなかった。 2、同発酵乳からプロティナーゼをDEAE-トヨパールクロマトグラフィーで分離したところ少なくとも2種類の活性画分(LP-1,2)が得られ、この培養物中には少なくとも2種類以上のプロティナーゼが存在することが知られた。活性の高いLP-1をさらに高度に生成しその性質を調べた。その結果、本酵素はDIFPで失活し至適pHを6.0に有するセリンプロテアーゼであった。本酵素をカゼインに作用させたところas1-とk-CNをほんど分解せずβ-CNをよく分解する酵素であった。カゼインの分解生成物ペプチドを逆相系カラムを用いたHPLCで調べた結果、得られたペプチドはβ-およびas2-CN由来のペプチドであった。また、β-CN由来ペプチドは、発酵乳から見出されたβ-CN由来のペプチドど一致するものが見出された。従って、発酵乳中のβ-CN由来ペプチドは本酵素によって生成された可能性が考えられた。
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