1996 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類および哺乳動物の生体時計機構と光同調機構の分子細胞学的研究
Project/Area Number |
08660367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80150192)
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Keywords | 松果体 / サーカーディアンリズム / 生物時計 / メラトニン |
Research Abstract |
ラットの行動の日内リズムは規則的な明暗条件下では暗期に活動し、明期に休息するパターンを示すが、恒常暗下では24時間より若干長い、自己固有の周期で自由継続のパターンを示す。しかし、この恒常暗下での自由継続リズムの周期は行動測定装置によって大きく異なる事が報じられている。すなわち、locomotor activity(ケージ内の全ての動きを測定したもの:以下、L測定ち略す)を測定した時の周期よりもwheel running activity(車廻し運動を測定したもの:以下、W測定と略す)を測定しやときの周期の方が短くなると言うものである。今回著者らは、両者の測定装置を用いた時の自由継続リズムの周期の違いの機序について検討した。 3ヵ月齢のSD雄ラットを盲目にし、それぞれの測定装置での自由継続リズムの周期を約2ヵ月間測定した後、測定装置を入れ替え、さらに、リズムの測定を継続した。その結果、先の報告と同様に、L測定からW測定に切り替えた場合には周期の短縮が、逆にW測定からL測定に切り替えた場合には周期の延長がそれぞれ認められた。車廻し行動は自発的な走行運転であり、この行動は時計の位相に依存して、時計の位相を変位させることがすでに見いだされている。そこで著者は測定装置による周期の相違が行動のフィードバックの有無によるものでは無いか?またはフィードバックは外側膝状体中葉部(ILG)に作用しているのではないか?と考えた。 そこで次に、自由継続リズムを示すラットのILGを両側性に電気破壊し、それぞれの測定装置下での周期に及ぼす影響を調べた。その結果、W測定中でのIGL破壊は周期の延長を来たし、L測定中でのIGL破壊は変化を起こさなかった。また、それらの破壊ラットは装置を切り替えても周期の変化が起こらなくなった。 以上の結果、車廻し運動での自由継続リズムは行動自信が時計にフィードバックをかけることで周期の短縮を起こしていること、その作用はILGを介している事が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nobuyuki Marumoto: "Melotonin acceterates reentrainment of circadiian locomotor activity rhythms to new light-dark cycles in the rat" Japanese Joural of Physiology. 46. 347-351 (1996)
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[Publications] Nobuyuki Marumoto: "Effects of paily injections of melatonin on locomotor activity rhythms in the rats maintainlb under constant blight and dim light." Physiology & Behavior. 60・3. 767-773 (1996)
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[Publications] Haruto Kurodo: "Daily wheel running activity madifies the perrod of the free-running rhythm in rats via lnfergeniculate leaflet." Physiology & Behavior. in perss. (1997)