1997 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類および哺乳動物の生体時計機構と同調機構の分子細胞学的研究
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08660367
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Research Institution | MIYAZAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80150192)
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Keywords | 松果体 / メラトニン / 生体時計 |
Research Abstract |
鳥類松果体細胞には光受容器及び生体時計機構が存在し、明暗条件下では明期に低く暗期に高いメラトニン分泌リズムを示す。また、恒常条件下でも、メラトニン分泌は約24時間の周期で継続するが、このメラトニンリズムの形成は時計がどの様なシグナルを介して行っているかは不明である。そこで、恒常暗下でのメラトニン分泌がcAMP系機構を介している可能性、および光シグナルがチロシンキナーゼのリン酸化を介している可能性について検討した。 1)ヒヨコ松果体細胞を恒常暗下で培養し、メラトニン分泌が増加し始める前からH8(プロテインキナーゼAの特異的阻害剤)を6時間投与すると、投与量依存性にメラトニン上昇が抑制された。 2)恒常暗下でIBMX添加培養液で細胞を灌流し、灌流液中のcAMP濃度を測定した。その結果、恒常暗下でも明暗条件下同様のcAMPのリズムが継続していた。 3)細胞灌流においてH8を9時間のパルス投与すると、1)と同様にメラトニン上昇を抑制したが、時計の位相には影響しなかった。また、このH8は8-bromo-cAMPによるメラトニン増加を抑制した。 4)光パルスをCT16時に照射すると、およそ8時間の位相前進が認められ、CT8,10時では位相後退が認められた。そこで、CT16時に6時間の光パルスを与えるのと同時に、チロシンキナーゼ阻害薬を投与し結果、チロシンキナーゼ阻害剤ゲニステインは、光によるメラトニンの急激な分泌低下作用は阻止しなかったが、位相変位を濃度依存的に阻止した。ラベンダスチンAには効果が認められなかった。 以上の結果、恒常条件下でのメラトニン分泌リズムは時計のリズムがアデニレートサイクラーゼの活性化-cAMPの合成-プロテインキナーゼAの活性化のリズムを作り、この系を介して形成されていることを示唆している。光による時計同調にはチロシンキナーゼのリン酸化が関与していると推察される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Marumoto,N.: "Effect of daily injections of melatonin on lecomotor activityrhythms in rats maintained under constant bright or dimlight." Physiology & Behavior. 60(3). 767-773 (1996)
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[Publications] Marumoto,N.: "Melatonin accerelates reentrainment of circadian locomotor activity rhythm to new light-dark cycles in the rats." Japanese L.Physiology. 46. 347-351 (1996)
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[Publications] Kuroda,H.: "Daily wheel running activity modify the period of free-running rhythm in rats via intergeniculate leaflet." Physiology & Behavior. 61(5). 633-637 (1997)
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[Publications] Nakahara,K.: "individual pineal cells in chick poceses photoreceptive,circadian clock and melatonin synthesizing capacity in vitro." Brain Research. 774. 242-245 (1997)
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[Publications] Murakami,N: "Daily injections of melatonin entrain the circadian activity rhythm of nocturnal rats,but not diurnal chipmunks." Brain Research. 775. 240-243 (1997)
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[Publications] Nakahara,K: "Involvement of protein kinase A in the subjective nocturnal rise of meklatonin release by chick pineal cells in constant darkness." J.Pineal.Research. 24. 221-229 (1997)