1996 Fiscal Year Annual Research Report
S.hyicus表皮剥脱毒素(shET)産生遺伝子の決定
Project/Area Number |
08660372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前原 信敏 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90072371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 久聡 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (40154083)
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Keywords | Staphylococcus hyicus / Exfoliative toxin / プラスミド |
Research Abstract |
Staphylococcus hyicus表皮剥脱毒素B(shETB)産生株であるP-43株からcleared lysate法により42kbプラスミドを抽出し、数種類の制限酵素で消化後にアガロース電気泳動し、ナイロン膜に転写した。次に、S.aureus表皮剥脱毒素であるETAとETBの間で高度に保存されている活性関連領域の塩基配列を基にビオチン化DNAプローブを合成し、上記の転写膜を用いてSouthern blot hybridizationを行ったところ、本プローブは7.7kb EcoRI断片と1.7kb Hind III断片にのみhybridizeした。次に、EcoRIおよびHindIIIで消化した42kbプラスミドをアガロース電気泳動し、ゲルから7.7kb EcoRI断片と1.7kb Hind III断片を抽出し、大腸菌のベクタープラスミドあるpUC19およびpUC118のEcoRIsiteとHindIIIsiteにそれぞれ連結し、大腸菌JM105およびJM109株に形質転換した。得られた形質転換株をTYbrothで培養後、遠心上清を回収し、10倍濃縮して1日齢ニワトリひなに接種したところ、両方の形質転換株に表皮剥脱能が認められた。また、培養上清中に産生されたshETBは本来の宿主が産生するshETBと耐熱性、抗原性が同一であった。次に、1.7kbHindIII断片が挿入されたプラスミドからdeletion mutantを作製し、dideoxy法により塩基配列を決定し、遺伝子情報処理ソフトによりコンピューター解析した。shETBのOpen reading frame(ORF)は804bpで、268個のアミノ酸をコードしていた。ORFの8bp上流にはS-D配列がみられ、さらに上流にはプロモーター様構造も認められた。なお、shETB産生遺伝子中には使用したプローブと全く同一の塩基配列がみられ、活性領域の構造がshETB,ETAおよびETB間で同一であることが明らかとなった。また、shETBとETBの推定アミノ酸配列の相同制覇59.8%となり、ETAとETBの相同性(41.0%)よりも高くなり、異種の細菌が産生するにも関わらずshETBとETBは分子進化において近縁であることが示唆された。
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