1997 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ生態系の微生物相の解明とその培養株の収集保存
Project/Area Number |
08660405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Institute for Fermentation, Osaka |
Principal Investigator |
中桐 昭 財団法人発酵研究所, 真菌研究室, 研究員 (70198050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 久美子 財団法人発酵研究所, 酵母研究室, 研究員 (20270572)
田村 朋彦 財団法人発酵研究所, 放線菌研究室, 研究員 (10236755)
中川 恭好 財団法人発酵研究所, 細菌研究室, 研究員 (70260172)
岡根 泉 財団法人発酵研究所, 真菌研究室, 研究員 (60260171)
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Keywords | マングローブ生態系 / 微生物相 / 微生物生態 / 遺伝子資源 / 海産微生物 |
Research Abstract |
マングローブ汽水域の微生物相を把握し、出来るだけ多様な微生物株を収集することを目指して、本年度は西表島後良川を中心に2回(高温期7月および低温期2月)の試料採集を行った。特に、後良川の上流から下流にかけて環境条件の異なる地点から試料を採取した。昨年度検討した分離法、培養法を元に、マングローブ樹の生葉、落葉および土壌などから菌の分類を行った。現在、各研究分担者は分離株の同定や分離株を用いた分類、生態学的研究を進行中である。本年度得られた研究成果の概要は下記の通り。 1.後良川の上流〜河口4地点にleaf trapを設置し、仕掛けたマングローブ葉から分離される鞭毛菌を調査したところ、菌相は塩分環境によって異なること、季節によって菌の出現頻度が変動すること、基質特異性を示す菌種が存在することが明らかになった。 2.オヒルギ生葉の内生菌として、Colletotrichum sp.,Guignardia sp.,Pestalotipsis spp.,Phomopsis sp.などが分離できた。生葉に対する内生菌の感染頻度は上流で高く、下流域で低かった。また、季節により内生菌の感染頻度や種構成が変化することが明らかになった。 3.落葉、土壌などから361株の細菌を分離した。このうち、25株は窒素固定能を有する菌であり、101株は海洋性細菌であった。 4.土壌、落葉、樹皮、生葉、花、果実など43試料から、255株の酵母を分離した。Candida nitratiovorans,Williopsis saturnus,Kluyveromyces aestuarii,Saccharomyces yakushimaensis,W.californica,などが比較的頻度高く分離された。 5.マングローブ落葉、土壌などから61株の放線菌を分離した。その中には、Cryptosporangium(新属)、Dactylosporangium,Kineopolyspora,Micromonospora,Microbispora,Streptosporangium,などの希少放線菌が多く含まれていた。
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Research Products
(1 results)