1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
萩原 治夫 群馬大学, 医学部, 講師 (80189464)
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Keywords | 線毛発生 / 線毛 / 基底小体 / ルートレット / 卵管 |
Research Abstract |
1、ヒト卵管粘膜の線毛発生細胞を電子顕微鏡で観察し、基底小体附属構造の形成過程について新知見を得た。 (1)線毛の形成に際し、ルートレットの先端は細胞内部に線状に伸張し(fibrillar part)、ミトコンドリアや粗面小胞体の形質膜と接着した。Fibrillar partの横紋の周期は69nmで、基底小体に連続する部分(conical part)及び線毛細胞における通常のルートレットより5nm長かった。この構造は線毛発生時に一過性に出現し、線毛伸張時の基底小体の繁留に関与することが示唆される。 (2)基底小体の周囲に、表面細胞膜の陥入により直径34-36nm、長さ0.13【.+-。】0.06μmの管状構造(transitional tubuleと命名した)が一定の間隔をおいて形成された。Transitional tubuleは、線毛発生時にのみ出現し、alar sheetの形成に関与する構造と考えられる。 2、ヒト卵管粘膜の線毛細胞より、Andersonらの方法に準じて基底小体及び基底小体附属構造を分離精製し、これを抗原としてラットリンパ筋法によりモノクローナル抗体BB-20、BB-49を作製した。蛍光抗体法によりBB-20は基底小体を、BB-49はルートレットを特異的に認識し、これらの抗体を用いたSDS-PAGE、ウェスタンプロティングにより、単一のバンドが検出された。今後SDS-PAGEにより基底小体関連タンパク質を分離し、一次構造の解析、決定したアミノ酸配列からcDNAをクローニングし、線毛細胞への分化にともなう遺伝子発現について研究を行なう。
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