1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 直二 千葉大学, 医学部, 講師 (00188822)
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Keywords | 筋原線維形成 / アイソフォーム変換 / ミオシン軽鎖 / エピトープタグ / 共焦点レーザー顕微鏡 / アクチン / ストレスファイバー / フォトブリーチ |
Research Abstract |
1)cDNA導入による構造形成解析 ラットおよびニワトリ心室筋の培養細胞にミオシンアルカリ軽鎖の各アイソフォームのcDNAを導入し、発現した蛋白室の筋原線維への取り込みの態様を調べた。導入するcDNAには外来の抗原をコードする塩基配列(タグ)を組み込んでおき、発現した蛋白質をタグに対する抗体で特異的に標識することにより内在性の蛋白質から識別し、その細胞内分布を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、非筋型のアルカリ軽鎖は細胞内全体に瀰慢性に分布するが、速筋型のアルカリ軽鎖は筋原線維のA帯に局在することが明らかになった。このような分布の違いは、アルカリ軽鎖の各アイソフォームとミオシン重鎖との親和性の違いを反映するものと考えられる。そこで、アイソフォーム間で一部を入れ替えたキメラcDNAを培養心筋細胞に導入し、ミオシン重鎖との親和性に影響するドメインの決定を試みた。その結果、アルカリ軽鎖を構成する4つのEFハンドドメインのうち第2ドメインにおける15個のアミノ酸が重要であることが判明した。このドメインはミオシン重鎖と直接結合はしないが、本領域におけるアミノ酸の違いがドメインの立体構造や他のドメインとの位置関係に影響して、ミオシン重鎖との親和性に差が生ずるものと考えられた。 2)生きた細胞での筋蛋白質の動態 蛍光標識した筋型および非筋型アクチンを培養ニワトリ心筋および線維芽細胞に注入し、標識アクチンを取り込んだ筋原線維(MF)とストレスファイバー(SF)をレーザー光でブリーチしたのち、蛍光の回復を調べた。その結果、MFは発育が進むほど蛍光の回復が遅くなり安定していくこと、またMFに非筋型アクチンは入りにくいことが判明した。SFではMFより回復は早く、筋型と非筋型のアクチンの取り込みに差がみられなかった。これは本構造の原始的で未熟な性質を反映しているものと考えられた。
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