1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 文部教官教授 (50014246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 文部教官助手 (50283362)
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Keywords | β細胞 / インスリン / エキソサイトーシス / 活性酸素 / 化学発光 / ビデオ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、膵臓組織片内のランゲルハンス島を高倍率ビデオ顕微鏡によって直接観察し、分泌顆粒の開口頻度から分泌量の定量をして、細胞レベルでの分泌制御のメカニズムを明らかにしようとするものである。NOやO_2が生理的な分泌のための信号として作用することを証明しようとするものである。今年度は以下のことができた。 (1)ラット膵臓組織を細片化し、細胞内の分泌顆粒の開口放出を画像変化として捉えられるときに、実際にインスリンが放出されていることを、そばにおいた抗体感作血球の溶血反応によって証明できた。 (2)NOやO_2などのラジカルは酵素反応によって生成され、これらの酵素はCa^<2+>存在下にグルコースから作られるNADPHによって活性化されると考えられる。この証明の一つとして温度を25度に下げたところ、開口放出の遅延成分だけが選択的に抑制されることがわかった。 (3)フォトカウンティングカメラを用いたルミノール化学発光法によって、グルコース刺激した時のβ細胞におけるNOの発生を画像的に検出する試みをおこなった。発光は島を中心とした領域から認められβ細胞からのものであることが示唆された。 (4)波長340nmの光をβ細胞に照射して、光化学的にラジカルを生成させると、脱顆粒が起こることがわかった。 以上の研究によって、1)グルコースによるラジカルの発生と、2)ラジカルによるインスリン放出の惹起、の2項目が証明できた。これは、β細胞がラジカルを作りやすく、そのラジカルを細胞内信号として使っている可能性を強く示唆するが、なお、非生理的なものである可能性ものこされている。来年度はその点を解析する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] IKEDA,J.: "Nuclear disintegration as a leading step of glutamate excitotoxicity in brain neurons" Journal of Neuroscience Research. 43. 613-622 (1996)
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[Publications] POZZI,G.: "Single-chain polyprenyl phosphates form ″Primitive″ membranes" Angewande Chemie. 35. 177-180 (1996)
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[Publications] 寺川 進: "細胞内小器官のダイナミックな形態変化と機能" 膜(Membrane). 21(4). 247-253 (1996)
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[Publications] 寺川 進: "ビデオマイクロスコピーの基礎" 日本生理学雑誌. 58. 199-210 (1996)
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[Publications] 寺川 進: "ビデオマイクロスコピーにおけるエキソサイトーシスの証明" 日本比較内分泌学会ニュース. 81. 19-23 (1996)