1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞膜におけるカフェイン惹起クロライド電流の単一チャネルレベル解析
Project/Area Number |
08670058
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山下 由朗 熊本大学, 医学部, 助手 (50128328)
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Keywords | 肝細胞 / カフェイン / パッチクランプ法 / 単一チャネル電流 / クロライド電流 / カチオン電流 / 抑制 / ラット |
Research Abstract |
以前の研究でホールセル・パッチクランプしたラット単離肝細胞にカフェインを細胞外投与すると、コンダクタンス増大を伴う持続性Cl電流の発生することを明らかにした。このカフェイン惹起Cl電流は、細胞内情報伝達系やGTP結合蛋白を介さずにカフェインのClチャネルへの直接開孔作用によって生じることが示唆された。今回の目的は、excisedパッチ法による単一チャネルレベル解析法にて、このことを直接証明することであった。カフェインは細胞膜を容易に通過できるのでexcised inside-outパッチ法を用い、細胞内膜面側にカフェイン含有NaCl(又はKCl)溶液を与えた。しかしながら、多数回の試行にもかかわらず、カフェイン投与によって開くチャネル電流は観察できなかった。細胞内膜面側溶液にMgやグルコースなどを加えても見い出せなかった。何か未知の細胞内因子がClチャネル電流発生に不可欠という可能性も残るため、cell-attach法でも試みたが、カフェイン惹起チャネル電流は観察できなかった。原因として、チャネル電流の検出不可能な程チャネルコンダクタンスの小さいことが考えられた。こうした研究経過の中で、逆にカフェイン投与で閉じるチャネル電流が見い出されたので報告します。excised inside-outパッチ法を使用し、膜内外液は120mM NaCl、1mM CaCl_2と相同にした。無カフェイン液では、当該チャネルは100%近く開いた状態であるが、カフェイン投与で濃度依存性に開確率を抑制した(30mMでは開確率を60%に減少)。電流振幅は電位依存性を示さず、単一チャネルコンダクタンスは約20pSであった。液組成交換による逆転電位等の変化より、カフェインで閉じるチャネルは、カルシウム感受性の非選択性カチオンチャネルであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)