1996 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流Kチャネルを構成する多量体構造とそのアセンブリ様式の解析
Project/Area Number |
08670068
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
大森 浩一郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80094465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
|
Keywords | 内向き整流Kチャネル / パッチクランプ / COS細胞 / 遺伝子導入 / 部位指定突然変異 / イムノブロット |
Research Abstract |
内向き整流Kチャネル(IRK1)は,膜を2回貫通し,過分極時にチャネルを開きKイオンを通し,脱分極時にはMgやポリアミンがポアをブロックし外向きにKイオンを通さない性質を持つチャネルで,静止膜電位の保持や活動電位時間の調整などに関与している。我々はマウス・大食細胞由来の細胞よりクローニングされた内向き整流Kチャネル(IRK1)のcDNAをCOS細胞に導入して発現されたチャネルの性質を検討した。1,IRK1が何量体で構成されているかを解明するため,IRK1cDNAを改変し,IRK1が直列に連結された2,3,4,5,6,7,8量体cDNAをそれぞれ作製し,COS細胞に導入した。その結果2〜8量体全てに心筋内向き整流Kチャネルと同様のKチャネル活性が発現した。これは,導入するIRK1cDNAが何量体であってもIRK1サブユニット蛋白質は活性発現に必要なある特定の数だけアセンブリしチャネルを構成し得ることを示している。実際に何量体で構成されているのかは今後更なる検討を要する。2.IRK1のC末端領域の合成ペプチドを家兎に免疫し抗体を作製した。この抗体を用い,1,2,3,4量体cDNAをCOS細胞に導入し発現させるIRK1チャネル蛋白質をイムノブロット法で同定したところ,各々約57K,120K,170K,220Kで,ほぼ整数倍であった。また,マウス大脳で発現されているIRK1チャネル蛋白質は約83Kであった。3,Mg及びポリアミン感受性に関与するM2領域の172番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変換したcDNA(D172N)を作製し、COS細胞で発現されるKチャネルの性質を検討した。その結果,低濃度の細胞内Mg存在時に野生型IRK1チャネルの外向き電流で出現する単一電流の1/3と2/3の大きさのサブレベルが,D172Nの場合は出現しなかった。IRK1チャネルはsingle barrel structureであるかも知れない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 大森浩一郎: "膜輸送蛋白-構造と機能,発現調節に関する最近の基礎研究の進歩-Na,K-ATPase" 日本臨牀. 54・3. 586-594 (1996)
-
[Publications] Omori,K.: "Analyses of the channels expressed by cDNAs encoding multimeric IRK1 subunits." The Japanese Journal of Physiology. 46・Suppl.S86-S86 (1996)
-
[Publications] Omori,K.: "Inwardly rectifying potassium channels expressed by gene transfection into the Green Monkey Kidney cell line COS-1." The Journal of Physiology. 499・2. 369-378 (1997)