1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670085
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相川 忠臣 長崎大学, 医学部, 教授 (60039592)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 真奈子 長崎大学, 医学部, 助手 (00234906)
楊 紅 長崎大学, 医学部, 助手 (10274630)
|
Keywords | 副腎皮質ホルモン / 血小板活性化因子 / PAFアンタゴニスト / 肥満細胞 / ヌードマウス / ACTH / セロトニン / プロスタグランディンD_2 |
Research Abstract |
目的:副腎皮質ホルモンは炎症とアレルギーを抑え、免疫系を抑制する働きを持つ生体の防御力を制御するホルモンである。種々の免疫異常マウスの副腎を灌流してその応答を調べる免疫細胞と副腎皮質機能の関連性を明らかにする。 1.正常のマウスでACTHの副腎皮質細胞内情報伝達系に血小板活性化因子(PAF)が関与することを新たに見つけた。PAFとそのレセプターの関与はcyclicAMP以降のレベルである。 2.T細胞が少ないヌードマウスでは正常マウスに比べてACTHによる副腎皮質ホルモン分泌のPAF拮抗剤による抑制が起こりにくい事を見いだした。 3.正常マウスでPAFは副腎皮質ホルモン分泌を促進しないが、N-methylcarbamylPAFという細胞内で代謝されないPAFアゴニストは促進作用をもっていた。しかしヌードマウスではこのアゴニストは全く促進作用をもっていなかった。この事からヌードマウスでは副腎皮質細胞内のPAF受容体がほとんど機能していないと推測される。 4.肥満細胞由来のケミカルメディエーターであるセロトニンとプロスタグランディンD_2による副腎皮質ホルモン分泌がヌードマウスでは正常に比べて低下していた。肥満細胞欠損マウスの両者に対する応答も正常マウスに比較して検討している。ヌードマウスの肥満細胞機能は低下していることがすでにわかっている。 結論:T細胞機能低下や肥満細胞欠損を持ったマウスは副腎皮質機能異常を伴っていた。免疫細胞と副腎皮質機能に密接な関連性があることがわかった。この研究をさらに進めてアレルギーや自己免疫疾患の病因や治療の足がかりを得たい。
|