1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH_3受容体とヒスタミン・トランスポーターの薬理学的研究
Project/Area Number |
08670100
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 助教授 (50192787)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 映子 東北大学, 医学部, 教務職員
布木 和夫 東北大学, 医学部, 講師 (10172743)
|
Keywords | ヒスタミン / ヒスタミンH_3受容体 / ヒスタミントランスポーター |
Research Abstract |
本研究はヒスタミンに関係する機能分子のうち、まだ十分にその構造と機能が解っていないヒスタミントランスポーターに焦点当てその構造と機能を明らかにすることを試みた。ヒスタミンの取り込み機構に関しては、その存在の有無に関してまだ明確な答えが現在まで得られていなかった。ラット前脳のホモジネート液から得られたP2分画に関して行った[^3H]histamineの取り込み実験から新しく調整したホモジネート液中にのみヒスタミンの取り込み機構の存在が認められた。この取り込み量が一番多かったのはシナプス小胞成分の存在しているP2の分画であった。この取り込み反応はdoxepinを除いた他のHistamine receptor rigandsの影響を受けず、noradrenaline, dopamine, 5-HT, acetyl-cholineの存在やそれらの特異的transpoter inhibitorによる取り込み阻害は受けなかった。しかし、イミプラミンのような非特異的なトランスポーター阻害剤の影響は強く受けた。また、Histamine uptakeに必要なionはNa+, Cl-, HCO3-であり、noradrenaline, dopamine, 5-HTとは異なることがわかった。そこで、vesicular transpoterの性質と比較するためにv-type ATPaseinhibitorであるbafilomycineA1, vanadate, N-ethylmaleimideの影響を検討したが、わずかにその傾向は認められたものの、全てがあてはまるわけではないないことから、histamine uptakeに特有のトランスポーターの存在が推測された。現在、潅流系でのヒスタミン遊離実験やアフリカツメガエル卵母細胞における発現系におけるトランスポーターの実験を準備している。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 渡邊,建彦.福井裕行.谷内一彦: "ヒスタミン受容体" 「蛋白質、核酸、酵素」増刊号「脳における情報伝達」. 42巻(3号). 327-334 (1997)
-
[Publications] J. H. Ryu. K. Yanai et al.: "The effect of dopamine D1 receptor stimulation on the up-regulation of histamine H_3 receptor following destruction of the ascending dopaminergic neurons" Brit. J. Pharmacol.118. 585-592 (1996)
-
[Publications] Xiao-Lan Zhao, K. Yanai et al.: "Effects of unilateral vagotomy on nitric oxide synthase and histamine H_3 receptors in the rat dorsal vagal complex." J. Chem. Neruoanat.11. 221-229 (1996)
-
[Publications] C. Itoh, K. Onodera, K. Yanai et al.: "The changes of histamine H_3 receptors in meth anphotamine-treated rat brain." Meth. Find. Exp-Clin. Pharmacol.18 (suppl). 133-138 (1996)