1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋Na^+活性化K^+チャネルの受容体制御に関する電気薬理学的研究
Project/Area Number |
08670102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中谷 晴昭 千葉大学, 医学部, 教授 (60113594)
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Keywords | Na^+活性化K^+チャネル / エンドセリン / β受容体 / 心筋細胞 |
Research Abstract |
心筋Na^+活性化K^+(K_<Na>)チャネルは細胞内Na^+濃度が増加した時に活性化し、大きな電流を流すK^+チャネルである。これまで、ジギタリス中毒あるいは心筋虚血時等の病態時に細胞内Na^+濃度の増加し、K^+電流が活性化して、活動電位幅短縮がおきる事が示唆されていたが、生理的状態においても脱分極興奮が繰り返された際、細胞膜直下にNa^+が蓄積し、このK^+チャネルが活性化する可能性も指摘されている。しかしながら、心筋のK_<Na>チャネルの受容体制御の有無は明らかとなっていない。そこで、心筋細胞K_<Na>チャネルに対するエンドセリン-1(ET-1)作用およびイソプロテレノール(Iso)の作用をパッチクランプ法によって検討した。コラゲナーゼで単離したモルモット心室筋細胞において、全細胞電流記録法で細胞内にNa^+を負荷し、細胞外側に10μMウアバインを投与しNa^+活性化K^+電流(I_<K.Na>)を活性化させた。ET-1(10nM)およびIso(100〜1000nM)はI_<K.Na>を有意に抑制した。このET-1の抑制作用は選択的ET_A受容体遮断薬であるBQ-485によって拮抗され、Isoの抑制作用は1μMのプロプラノロールで減弱した。また細胞接着型記録法で細胞外側のCa^<++>濃度を減少させ、細胞膜直下のNa^+濃度を増加させて記録した単一K_<Na>チャネル電流を、ET-1は開口確率を減少させ抑制した。この様にET_A受容体刺激およびβ受容体刺激は心室筋細胞K_<Na>チャネルを抑制し、頻拍時の活動電位幅を修飾する可能性が示唆された。
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