1996 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)による血管透過性亢進作用の機序-血管内皮細胞を用いた研究-
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08670122
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
入江 かをる 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50075496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
藤井 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20075493)
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Keywords | ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC) / 血管内皮細胞増殖因子(VEGF) / 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS) / 塩基性アミノ酸トランスポーター(CAT) / 腫瘍壊死因子(TNF-α) / エンドトキシン(LPS) / アルギニン / 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR) |
Research Abstract |
〔目的〕 申請者らは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)によるマウス皮膚の血管透過性亢進作用に内因性一酸化窒素(NO)が関与することを報告した(第92回日本薬理学会関東部会発表;1995年)。本研究ではVEGFの作用機序の解明を目的として、誘導型NO合成酵素(iNOS)および塩基性アミノ酸トランスポーター(CAT)のup regulationが含まれる可能性について、血管内皮細胞およびマウス皮膚を用いて検討した。CATはNOSの基質であるアルギニンの細胞内への取り込みに関与し、誘導型のCAT-2は、血管平滑筋細胞をサイトカインにより刺激すると、iNOS等と共に共誘導されることが最近報告されている。 〔方法〕 ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いた。HUVECは常法により培養し、サブコンフルエント時に、VEGF1〜30ng/mlを0.5〜4時間作用させた。比較として腫瘍壊死因子(TNF-α)についても調べた。薬物処理後、総RNAを抽出し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)にてiNOSおよびCAT-2の遺伝子発現について調べた。 マウス皮膚については、VEGF1〜10ng/site皮下注射1〜2時間後の注射部位皮膚の総RNAを抽出後、同様にiNOSのRT-PCRを行った。VEGFの比較としてエンドトキシン(LPS)400μg/site s.c.2時間について調べた。 〔結果〕 (血管内皮細胞) CAT-2については、TNF-α1〜30ng/mlの1〜24時間処置によりmRNAレベルの有意な増加が認められた。VEGF処置の影響については現在研究中である。 (マウス皮膚) マウス皮膚のiNOSmRNAレベルは、LPSにより増加が認められ、VEGFでは増加傾向が認められたが、再現性等について研究中である。
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