1996 Fiscal Year Annual Research Report
β_3-アドレナリン性受容体作用薬を構造活性相関:コンピュータによる解析
Project/Area Number |
08670127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
長友 孝文 新潟薬科大学, 薬理学, 教授 (60121240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 徳行 新潟薬科大学, 薬化学, 講師 (60201597)
片山 肇 新潟薬科大学, 薬化学, 教授 (70113024)
大貫 敏男 新潟薬科大学, 薬理学, 助手 (60288230)
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Keywords | ラット / 白色脂肪組織 / β_3-受容体 / β-遮断薬 / 結合実験法 / ^3H-CGP12177 |
Research Abstract |
この研究は、β_3-アドレナリン性受容体作用薬の構造活性相関についてコンピュータによる解析をおこなうために、初年度は結合実験法を用いてラット白色脂肪組織のβ_3-受容体に対する各種β-アゴニストおよびアンタゴニストの置換力価の評価をおこなうことを目的とした。実験方法として、ラット白色脂肪組織を摘出し、膜分画を遠心分離法にて調製した。また、膜分画は、^3H-CGP12177をラジオリガンドとして用いScatchard解析によりこの組織のβ_3-受容体の性状ならびにDisplacemental Curveの実験により、種々のβ-アンタゴニストの置換力価(pKi値)を求めた。ラット白色脂肪組織(WAT)には、Scatchard分析により^3H-CGP12177結合の高親和性部位(β_2-)と低親和性部位(β_3-)が存在し、Kd値はそれぞれ0.42【.+-。】30.06および40.42【.+-。】10.77nMであった。高親和性部位(β_2-)に対するカテコールアミンの効力順位は、isoproterenol>epinephrine>norepinephrineであった。選択的β_3-agonistであるBRL37344A,BRL35135A,SR59230Aの低親和性部位(β_3-)に対する置換力価(pKi)は高い値を示した。一方、種々のβ-遮断薬のラットWATのβ_2-とβ_3-受容体に対する置換力価を評価したところ現在本研究室で進めている持続型β-遮断薬ボピンドールのβ_3-受容体に対するpKi値は、4.87【.+-。】0.61であった。また、ボピンドールの代謝産物である18-502および20-785のpKi値も5.04【.+-。】0.73および4.22【.+-。】0.37であった。また、これまでに臨床的にも使用されている他のβ-遮断薬のWATのβ_3-受容体に対するpKi値も低かった。従って、ラットのWATには親和性の異なる2つのサブタイプが存在し、選択的β_3-agonistであるBRL37344A,BRL35135A,SR59230Aなどのβ_3-受容体に対するpKi値は高い値を示したが、ポピンドロールおよび代謝産物のWATアドレナリン性β_3-受容体に対する親和性は低いことが判明した。
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Research Products
(1 results)