1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 謙一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (90238105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
高宮 考悟 大阪大学, 医学部, 助手 (40283767)
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Keywords | 平滑筋細胞 / 形質転換 / 細胞外マトリックス / 増殖因子 / 転写調節 / α1インテグリン / 平滑筋型α-アクチン |
Research Abstract |
細胞外マトリックス、マミニン及びインスリン様増殖因子(IGFI、IGFII)またはインスリンを併用することにより分化型形平滑筋細胞を培養できることを見いだし、この培養系を用いて平滑筋細胞の形質転換(分化・脱分化)に関連した遺伝子発現変換機構の解明を目的として研究を遂行した。この平滑筋細胞の培養条件の検索過程で、ラミニン受容体であるα1β1インテグリンのうちα1インテグリンの発現は転写レベルで制御を受け、平滑筋細胞の分化に伴い増加し、脱分化過程で抑制を受けることを見いだした。α1インテグリン遺伝子の転写制御を解析する目的でcDNA及びプロモーター領域を含むゲノムDNAのクローニングを行った。α1インテグリンのプロモーター領域にはTATA-box及びCCAAT-boxが存在せず、複数の転写開始部位から転写されていた。シス・エレメントとしてAP1、AP2、及びCArGボックス様配列が存在するが、上記の平滑筋細胞培養系を用いてプロモーター解析を行った結果、CArGボックス様配列のみが分化型平滑筋細胞での転写促進に必要で、SRF(serum response factor)がコア因子として結合することを明らかにした。また、内臓平滑筋細胞における平滑筋型α-アクチンの発現は分化型細胞では低く、逆に脱分化に伴い著しく増加するという血管平滑筋細胞とは逆のパターンを示し、平滑筋型α-アクチン・プロモーター解析の結果、正の因子として働く2つのCArGボックス様の配列とpurine-richmotif以外に、新たに負に働くシス因子を同定し、これと特異的に結合する蛋白因子を見い出した。さらに、培養平滑筋細胞の分化型形質維持に関わるラミニン及びIGFI、IGFII、インスリンのシグナル伝達系の解析を行った結果、IGFIが平滑筋細胞の分化形質維持に関わる最も強力な因子であることが判明し、ラミニン及びIGFIレセプターを介したシグナル伝達系の関与が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林 謙一郎: "平滑筋細胞における形質転換機構一細胞外マトリックスと増殖因子の役割" 実験医学(増刊). 14. 151-159 (1996)
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[Publications] Kashiwada K.: "Coordinate expression of a-tropomyosin isoforms in association with phenotypic modulation of smooth muscle cells." J.Biol.Chem. (in press). (1997)
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[Publications] Sobue K.: "Phenotype-dependent gene regulation of smooth muscle,cell-specific cytoskeletal proteins." Mol.Cell.Biochem.(in press). (1997)