1996 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞走化性因子PD-I ファミリー蛋白質のがんの診断・治療への応用
Project/Area Number |
08670177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐野 公彦 神戸大学, 医学部, 講師 (40205993)
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Keywords | がん / 転移 / エクトエンザイム / 神経芽細胞株 / 分子生物学 |
Research Abstract |
種々のがんおよび肉腫の転移に深く関わる新規の膜型酵素ホスホジエステラーゼI(以下PD-I)について以下の点を明らかにした。 (1)ヒトにおいては三種類のPD-Iが存在する。一つは形質細胞腫細胞株で同定されたPC-1であり、残りの二つは我々がクローニングしたPD-IαとPD-Iβである。 (2)PD-Iαは神経系に発現しており、ヒトの腫瘍では神経芽細胞腫の進行期に高い発現が見られる。神経芽細胞腫の細胞株を用いてPD-Iαの細胞走化性に対する作用を解析した所、pMオーダーの低濃度で走化性を亢進させた。 (3)PD-Iα遺伝子はヒト染色体8q24.1に位置する。我々はその5'上流領域のプロモーター活性を調べ、細胞特異的な発現調節領域を明らかにした。 (4)PD-Iαの受容体あるいは結合蛋白質を同定する目的でyeast two hybrid systemを用いてクローニングを試みている。現在までに6つの陽性クローンを得、その相互作用を解析中である。 (5)一方、ヒトPD-Iβは子宮および前立腺の上皮細胞に特異的に発現している。PD-Iβの子宮癌および前立腺癌組織における発現および臨床的悪性度との関連については現在、解析中である。
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[Publications] Kawagoe,H.,et al.: "The expression and transcriptional regulation of PD-I alfa" Cancer Res.(in press). (1997)
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[Publications] Terashima,K.,et al.: "Molecular cloning and localization of rat PD-I beta." J.Biol.Chem.(in press). (1997)