1997 Fiscal Year Annual Research Report
カルニチン欠乏による尿素サイクル酵素遺伝子発現低下の機構-遺伝性カルニチン欠乏JVSマウスの解析を中心として-
Project/Area Number |
08670182
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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Keywords | 脂肪酸 / カルニチン / カルバミルリン酸合成酵素(Carbamylphosphate synthetase) / 尿素サイクル / 遺伝子発現 / 高アンモニア血症 |
Research Abstract |
遺伝性カルニチン欠乏マウスの肝臓尿素サイクル酵素遺伝子の発現は転写レベルで抑制されている。その機構を解明するため、以下の実験を行い、現在その結果が出つつある。 1)尿素サイクル酵素、carbamoylphosphate synthetase I;CPSI)のマウスゲノム遺伝子5'上流を20kbにわたりクローン化した。その配列にすでに報告されているラットCPSI遺伝子と相同性の非常に高いエンハンサーエレメントを見い出した。現在このエレメント及びプロモーター領域をluciferase遺伝子に結合し、培養肝細胞や肝癌細胞にtransfectし、ホルモン応答活性と脂肪酸による抑制効果の発現の有無を検討している。 2)またオランダのChristoffelsらからラットCPSI遺伝子のホルモン応答シスエレメント-luciferaseまたはCAT複合遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを入手し、JVSマウスと掛け合わせて、トランスジーンを持つJVSマウスを作成している。このマウスの結果からカルニチン欠乏に伴う尿素サイクル遺伝子抑制に関わるシスエレメントの同定を目指している。すでにこのトランスジーンが絶食やホルモンに応答することを確認した。
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[Publications] Nakajima T: "The effect of carnitine on ketogenesis in perfused livers from juvenile visceral steatosis mice with systemic carnitine deficiency." Pediatr.Res.42. 108-113 (1997)
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[Publications] 佐伯武頼: "2種の疾患モデル動物における高アンモニア血症発症機構-尿素サイクル酵素欠損マウスとカルニチン欠損マウス-" 病理と臨床. 15. 800-805 (1997)
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[Publications] Saheki T: "Advances in Cirrhosis,Hyperammonemia,and Hepatic Encephalopathy" Plenum Publishing Corporation, 281 (1997)