1997 Fiscal Year Annual Research Report
人TSH受容体発現のmRNAおよび蛋白レベルでの形態学的ならびに生化学的研究
Project/Area Number |
08670196
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水上 勇治 金沢大学, 医学部, 教授 (60110540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道岸 隆敏 金沢大学, 医学部, 助教授 (60020012)
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Keywords | TSH受容体 / 甲状腺 / 免疫組織化学 / nothern blot hybridization |
Research Abstract |
今回の研究において私達は種々の疾患の甲状腺組織を用いノーザンブロット法および,モノクローナル抗体TSH受容体を用いた免疫組織化学的染色法を行いTSH受容体遺伝子のmRNAレベルと蛋白レベルにおける発現状態を検索し,種々の甲状腺疾患における甲状腺濾胞細胞でのTSH受容体発現と濾胞細胞の機能さらに甲状腺ホルモン全体におよぼす影響を検討した. 1.材料.1996年から1997年にかけて金沢大学第2外科にて手術で得られた11例の甲状腺組織を対象とした.(正常甲状腺4例,腺腫2例,バセドー病甲状腺2例,濾胞癌1例,乳頭癌1例,慢性甲状腺炎1例)組織は切除後直ちに凍結して-80℃に保存された. 2.RNA抽出とNorthern blot hybridization.グアニジン法により凍結甲状腺組織からtotal RNAを抽出した. 3.プローブと抗体.TSH受容体遺伝子の検索に用いたプローブはTSH receptor cDNA vectorである.免疫組織化学染色に用いた抗体はマウス抗TSH受容体抗体であり,これらはParis South大学Dr.E.Milgromより供与された.β-actinにはhuman β-actin DNA(WAKO)を用いた. 結果 TSH受容体遺伝子のmRNA発現 Northern blot法により検討された種々の疾患における甲状腺組織11例について正常甲状腺組織でのhTSHR/actinは平均0.71であるのに対し,腺腫では0.93さらにバセドー病では1.33と明らかに高値を示した.濾胞癌の1例はほぼ正常と同様の値であり,乳頭癌および慢性甲状腺炎では正常に比し低値を示した.
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