1997 Fiscal Year Annual Research Report
慢性C型肝炎の門脈域内小血管へのヘモジデリン沈着:病理学的意義とインターフェロン治療効果予測因子としての有用性
Project/Area Number |
08670198
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
中沼 安二 金沢大学, 医学部, 教授 (10115256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 修一 金沢大学, 医学部, 助手 (10251943)
佐々木 素子 金沢大学, 医学部, 講師 (70225895)
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Keywords | 慢性C型肝炎 / ヘモジデリン / 細胞障害 / HCV / インターフェロン / HBV / 肝内小血管 / 炎症細胞 |
Research Abstract |
我々はヒト慢性C型肝炎肝組織によてい、小型の門脈域内での小血管内皮にヘモジデリンが沈着する現象を見出した。この現象をの意義を、いくつかの項目別に検討し、以下の結論を得た。 1.この病変が予後予測因子になりうるかどうか:この変化は病期の進展した慢性C型肝炎で多くみられ、病期の進展や活動度の正の相関を示した。この病変は自己免疫性肝炎でもしばしばみられ、病期の進展した症例で陽性率が高かった。 2.インターフェロン治療との関連性:慢性C型肝炎でインターフェロン治療後、肝の壊死炎症反応の軽快したウィルス価の減少、消失した症例では、微小血管に沈着するヘモジデリンは減少する傾向があった。肝細胞の障害に続発して発生した可能性と同時に、肝炎ウィルスの増殖にも関連する可能性が示された。 3.他の慢性肝疾患での出現:低率ではあるが、病期や活動度の進展した原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎でも類似の小血管内皮へのヘモジデリンの沈着がみられ、これらの疾患でも肝細胞の障害に関連してヘモジデリンが逸脱し、内皮に沈着する可能性が示唆された。この現象は慢性C型肝炎に特異的でないことが明らかとなった。 4.ヘモジデリン沈着小血管の肝病態に及ぼす影響:ヘモジデリンの沈着により、内皮細胞本来の機能が障害され、肝内微小循環障害に関連し、慢性C型肝炎の線維化の進展に関与すると考えられた。さらに、内皮細胞が本来持っている免疫学的機能、特に抗原呈示作用にも悪影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kaji, Y.Nakanuma: "Hemosiderin deposition in portal endothelial cells is a histologic markar predicting poor response to interferon-α therapy in chronic hepatitis C" Pathology Fnternational. 47(6). 347-352 (1997)
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[Publications] Y.Nakanuma, et al.: "Microstructure and development of the normal and pathologic biliary tract in humans,including blood supply" Microscopy Res Tech. 39(1). 71-84 (1997)
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[Publications] K.Kaji, Y.Nakanuma: "Dendritic cells in portal tracts in chronic hepatitis C and primary biliary cirvhosis with relevance to bile cluct damage" Hepatology Research. 8(1). 1-12 (1997)