1996 Fiscal Year Annual Research Report
種々の病態下組織におけるアポトーシスの発生機序とその病理学的意義
Project/Area Number |
08670199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
川生 明 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30059224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 章 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30273056)
逸見 明博 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40173562)
加藤 良平 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30152755)
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Keywords | アポトーシス / 甲状腺 / TSH / 骨髄細胞 / IL-3 |
Research Abstract |
研究課題:種々の病態下組識におけるアポトーシスの発生機序とその病理学的意義-とくに甲状腺を中心として- 1.組織・細胞標本を対象とするDNAの断片化検出法として既に開発さているDNAポリメラーゼ法とTDT法について改良を加えながら、最適の反応条件を検討し、これを確定した。 2.その方法により各種のヒト甲状腺疾患と各種実験条件下のラットの甲状腺組織を対象としてアポトーシスの検出を試みた結果、染色陽性の細胞は一般的に少なく、他臓器に比較して甲状腺では通常アポトーシスが誘導されにくいことが推測された。 3.甲状腺濾胞上皮にアポトーシスを誘導する条件を探る目的で、ラット甲状腺培養細胞FRTL-5を用い、培養液の必須成分して使用されている各種ホルモンの影響を調べた結果、TSHおよびインスリン除去培養液では32%の細胞にアポトーシスが誘導され、TSH単独の除去によっても28%にアポトーシスが誘導されることがPl核染色標本のフローサイトメトリーにより判明した。即ち濾胞上皮の増殖因子がアポトーシスの抑制に関わっていることが推測された。 4.甲状腺濾胞上皮におけるアポトーシスの発現機序を解明するために、Fas-Fasリガンド系について検討を開始した。通常の培養液中のFRTL-5細胞で調べるとその25%にFasが発現していることが免疫蛍光法を用いたフローサイトメトリーによって明らかにされた。現在各種の培養条件下でのFasの発現の変化について検討を行っている。 5.TUNEL法を電顕観察に応用することにより、典型的アポトーシスの形態を示さない陽性細胞の性格を明らかにすることを試みたが、現在まで特徴的な所見は得られてい。種々の免疫染色を施行しながら実験を継続中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田坂捷雄: "アポトーシスを回避するモノクローン抗体のinvivoでの役割" 日本病理学会会誌. 84・1. 226- (1995)
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[Publications] 田坂捷雄: "骨髄細胞におけるアポトーシス回避のための2シグナル" 日本病理学会会誌. 85・1. 94- (1996)
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[Publications] 川生 明: "組織細胞化学1995" 日本組織細胞化学会, (1996)
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[Publications] 田坂捷雄: "Histochemistry and Cytochemistry 1996" (1996)