1997 Fiscal Year Annual Research Report
種々の病態下組織におけるアポトーシスの発生機序とその病理学的意義
Project/Area Number |
08670199
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
川生 明 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30059224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 章 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30273056)
逸見 明博 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40173562)
加藤 良平 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30152755)
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Keywords | アポトーシス / 甲状腺 / TSH / 骨髄細胞 / IL-3 |
Research Abstract |
1.通常のmonolayer cultureではTSH非添加を含む培養液組成の変化によってFRTL-5細胞にapoptosisを誘導することは極めて困難であること、即ちapooptosis抵抗性であることを確認した。 2.FRTL-5細胞にapoptosisを誘導する方法を探る目的で、一つの試みとして培養形態をmonolayer cultureから"suspension culture"に変えてみた。これは通常のmonolayer cultureをTSH非添加で一定時間行い、細胞をトリプシンを用いて剥離した後、TSH添加無血清培地内で浮遊させる方法である。この場合、細胞は完全な浮遊状態ではなく、球形化した細胞が細胞間あるいは培養容器底と接触を保っている。しかしmonolayer cultureの細胞形態とは全く異なっている。 3.この"suspension culture"のFRTL-5細胞にTSH非添加することにより高率かつ容易に典型的なapoptosisを誘導することに成功した。 4.このapoptosisは細胞間あるいは細胞・基質間の接着の破綻detachmentから始まる。すなわち完全な浮遊化が起こる。 5.しかし細胞の一部でも接着が確保されている限り、容易にapoptosisには陥らない。 6.このような培養形態で、TSHの添加は細胞間接着分子cadherinおよび細胞・基質間接着分子integrinの発現をup-regulateし、さらにそのligand(fib ronectin)の発現もup-regulateすることが判った。 7.TSHはこれら接着分子やリガンドの発現をup-regulateすることによって"suspension culture"のFRTL-5細胞のapoptosisを回避せしめると推測された。 8.TSHは細胞の接着に関わるFAKのリン酸化をFRTL-5細胞において促進することが証明された。
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