1997 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化における細胞死(apoptosis)の病理学的意義
Project/Area Number |
08670209
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
多田 豊曠 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20106230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国松 己歳 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70145746)
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Keywords | 動脈硬化 / 平滑筋細胞 / 細胞死 / アポトーシス / 粥腫 / マクロファージ |
Research Abstract |
前年度に引き続き培養動脈平滑筋細胞に対するInf-γ,抗Fas抗体(CH-11),TNF-α等の細胞死誘発効果とDNA断片化を検討した。抗Fas抗体添加によって培養動脈平滑筋細胞は細胞死を来たし,細胞核の断片化と,DNA電気泳動でラダーが示された。この細胞死はInf-γ,TNF-αによって増強されることが再確認された。ヒト冠動脈肥厚内膜のin situ apoptosis detectionを目的としたTUNEL法,およびアポトーシス関連物質等の免疫組織化学染色を行った。使用した抗体はFas(UB2),Bcl-2,P-53,c-myc,PCNA,LCA,L-26,UCHL-1マクロファージ(KP-1),αアクチン(1A-4)等の各モノクロナール抗体。その結果,冠動脈組織切片ではTUNEL法陽性の内膜平滑筋細胞がしばしば認められた。Fas抗原は全例の冠動脈の中膜と内膜の平滑筋細胞に陽性であったが,特に肥厚内膜のほとんどの平滑筋細胞が強陽性を示した。Bcl-2は浸潤リンパ球によく染色されたが,中膜にはほとんど染色されず,内膜平滑筋細胞に軽-中程度の陽性染色を示すものが小数見られた。c-myc陽性細胞も小数認められた。P-53は陰性であった。 動脈硬化巣平滑筋細胞のFas抗原のリガンドが何に由来するかは依然として不明であるが,浸潤リンパ球Fasligandを有することからT-cellの関与が示唆された。動脈硬化巣の細胞の減少にアポトーシスの機構が重要な働きをすることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tateyama H, Tada T, 他4名: "Effects of prefixation and fixation times on apoptosis detection by in situ end-labeling of fragmented DNA." Arh.Pathol.Lab.Med.(発表予定).
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[Publications] Tada T, Okada H, 他5名: "Membrane attack complex and 20 kDa homologous restriction factor(CD59)in myocardial infarction" Virchow Arch.430. 327-332 (1997)
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[Publications] Tateyama H, Tada T, 他3名: "Apoptosis,bcl-2 prtotein,and fas antigen in thymic epithelial tumors." Mod.Pathol.10・12. 983-991 (1997)
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[Publications] Sasaki M, Kunimatsu M, 他7名: "Medical aspects of proteases and protease inhibitors." IOS Press, 14 (1997)