1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス消化管腫瘍の発生を修飾する遺伝子(群)の同定
Project/Area Number |
08670269
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Research Institution | The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
岡本 美恵子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 研究員 (80152354)
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Keywords | Minマウス / マウス消化管腫瘍 / Moml(Modifier of min-1) / QTL解析 / 修飾遺伝子 / 連鎖非平衡 |
Research Abstract |
マウスApc遺伝子に変異を有するMinマウスは消化管に腫瘍を自然発生するが、このMin変異による腫瘍の発生はマウスの遺伝的背景により大きな影響を受けることが知られている。我々は日本産野生マウス由来の近文系がMin変異による腫瘍発生を特に強く抑制することを見いだし、Minマウスの親系統であるC57BL/6Jと野生マウス間の戻し交配マウスを用いて、関与する遺伝子群の解析を行ってきた。昨年度までの解析から、この野性マウス中に存在する修飾遺伝子の一つが既知の修飾遺伝子Moml(Modifier of min-1)であること、一方、Momlとは別に腫瘍発生を抑制する修飾遺伝子やMomlの作用に拮抗的に働く修飾遺伝子が存在するらしいことが明らかになった。そこで、今年度は、N2分離個体の数をさらに増して、Momlの遺伝子型別に連鎖非平衡(Linkage disequi11brium)による解析を行った。その結果、腫瘍の発生に対して抑制的に作用する修飾遺伝子座(P<0.000000)と、Momlに拮抗的に働き、腫瘍の発生を促進する修飾遺伝子座3つ(P<0.0000000,P<0.0002,P<0.002)を見いだした。これらの修飾遺伝子群の遺伝子本体の解明と遺伝子間の相互作用の解析にはcongenic系統の樹立が不可欠であるため、現在、候補領域についてspeedcongenicの手法によりcongcnic系統の作成を試みている。
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