1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上村 清 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00115164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松瀬 倶子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70272903)
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Keywords | 蚊 / 環境変化 / 分布 / 東北地方 / ブナ樹洞 / オオモリハマダラカ / オオクロヤブカ / トワダオオカ |
Research Abstract |
1.今年度特記すべきことは、東北地方を7月29日から8月13日まで現地調査したことである。青森県の八甲田山、下北半島では自然環境が比較的温存されていて、ブナ樹洞からオオモリハマダラカ、トワダオオカ、ミスジシマカ、ブナノキヤブカ、シロカタヤブカ、コバヤシヤブカ、ヤマトヤブカ、キンパラナガハシカなどが採集できた。秋田、岩手以南では激減しているマラリア媒介蚊シナハマダラカが青森では水田に普通に採集できた。人工容器にはヤマトヤブカ、ヤマダシマカ、河床岩溜にはヤマトヤブカかハトリヤブカ、海岸岩溜にはトウゴウヤブカが普通に採集された。青森県でのオオモリハマダラカ、オオクロヤブカは最北記録だったが、過去に最南記録されたヤマトハボシカの生息は再瞬認できなかった。 2.環境変化の著しい大阪府下の蚊生息調査を5月16日、6月19日、3月2-5日に行い、トウゴウヤブカが幼虫越冬するが、ヒトスジシマカら卵越冬のみすることを確認した。また、園芸畑化している八丈島の蚊調査を2月21-22日に行った。 3.昨年に継続して、都道府県別の蚊科昆虫の分布記録を10年ごとに収録しているが、各県とも、近年採集記録を欠いており、全般的な生息調査が必要とみなされた。 4.上村の30-35年前の標本の再整理を行っている。詳細な採集記録は未発表なので、逐次まとめて発表すべく作業を進めている。 5.累代飼育中のヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、コガタイエカ、コバヤシイエカなどの各種温度域における飼育成績を検討していたが、恒温飼育器が故障して、成果を得ることが出来なかった。修理後、実験を再開している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 上村 清: "日本脳炎媒介数の発生動態に関する研究" 衛生動物. 48・suppl. 20 (1997)
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[Publications] 上村 清: "マラリアと日本脳炎はなぜ減ったか?-環境と媒介昆虫の変遷" 富山医科薬科大学医学会誌. 11・1(印刷中). (1998)
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[Publications] 上村 清,楠本倶子: "倉敷市児島の蚊相と環境変化の影響" 衛生動物. 49・2(印刷中). (1998)
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[Publications] 上村 清: "おじゃま虫のお通りだ" 丸三製薬株式会社, 248 (1997)