1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
津田 良夫 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (20207393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部・家政学科, 教授 (30196761)
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
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Keywords | ヒトスジシマカ / リバースシマカ / 生息場所選択 / 標識再捕獲 / 石垣島 |
Research Abstract |
石垣島富野の八重山ヤシ園を調査地として、標識再捕獲実験を行った。実験室で飼育したヒトスジシマカとリバースシマカ雌成虫それぞれ1504、344を林縁部の一カ所から2日に分けて放逐した。放逐後7日間、調査地内の林縁部と林内に合計10カ所の地点を選び、10分間の人囮採集を行った。初日に放逐した成虫の再捕獲率はヒトスジシマカ35.3%、リバースシマカ14.4%で、2日目に放逐した成虫の再捕獲率(7.7%および9.7%)よりも高かった。ヒトスジシマカとリバースシマカの無マーク虫の分布にははっきりした違いが見られ、前者が林内にほぼ均一に分布しているのに対して、後者は林内の奥ほど相対密度が高かった。再捕獲されたマーク虫の分布にも種間の違いが見られた。ヒトスジシマカは放逐点を中心としてほぼ左右対称な分布を示した。この傾向は2つの放逐集団でほぼ同様であった。これに対して、リバースシマカは、放逐点よりも林の奥での採集個体の割合が高く、全体として林内から林縁部にかけて緩やかな減少曲線を示す傾向が見られた。 リバースシマカの放逐個体は林縁部よりも林内へ分散する傾向が強く、その結果マーク虫の分布は無マーク虫の分布に近づいていったと考えられる。これに対してヒトスジシマカの場合、無マーク虫の分布が示すようにヒトスジシマカにとって林内の環境は均一であり、したがってそこに放逐された個体は均一環境でのランダム分散から期待される正規分布に近い左右対称な分布を示したと考えられる。これらの結果は、同じ林であっても、ヒトスジシマカにとっては均一な環境に近く、リバースシマカにとっては林縁部から林内にかけて傾斜を持った環境であることを示している。この環境に対する反応の違いが両種の生息場所選択に見られる違いを生み出している理由の1つであるということができる。
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