1996 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯熱マラリア原虫表面抗原(MSP1)多型領域の免疫学的研究
Project/Area Number |
08670286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木村 政継 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60195378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 壽 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10115222)
田辺 和裄 大阪工業大学, 教授 (40047410)
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / MSP1 / 抗原多型 / 免疫応答 / ELISA / 発現 / 抗体 |
Research Abstract |
熱帯熱マラリア原虫MSP1(メロゾイド表面抗原タンパク1)の多型がヒトの免疫応答とどのように関わっているか、多型領域(block2)の3つの基本型に対する免疫応答を疫学的に調べ、更にこれまで我々が開発し行ってきた原虫DNAレベルの多型疫学と比較することで、抗原多型のヒト寄生における役割を明らかにすることを本研究は目指している。これまでに以下を明らかにした。 1. block2領域の3つの基本型のペプチドの準備:発現部分の塩基配列を発現ベクターに組み込んで大腸菌組み換え体を作成し、3つの基本型の抗原ペプチドを準備した。 2. 3種の抗原ペプチド間で交叉免疫応答があるかどうかを調べる目的で、これらの抗原ペプチドとGST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)との融合蛋白を用いて、各型2羽ずつ、計6羽の兎を免疫し抗血清を作成した。抗血清のELISA抗体価は3つの型のなかでも3残基繰り返し配列を持たない型(RO33型)で弱かった。この抗血清からGST反応抗体をAffinityカラムで取り除き、block2抗原ペプチドだけに反応する抗体を精製した。 3. 3種の基本型抗原間での交叉免疫を、3種の発現ペプチドとAffinity精製抗兎block2抗体を用いたELISAで調べたところ、block2のそれぞれの抗原は基本的に同じ型の抗原で免役した抗体にのみ反応し交叉反応は見られなかった。例外的に、MAD20型抗原で免疫した2羽の兎のうち、1羽からの抗体はKI型抗原と少し(S/N〜10)交叉したが、わずかであるためフィールドヒト血清サンプルの解析にこれらの発現抗原を用いることには支障はないと思われた。
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