1996 Fiscal Year Annual Research Report
実験的エンドトキシンショックにおけるアポトーシスの関与
Project/Area Number |
08670324
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
横地 高志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20126915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 剛志 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70268001)
加藤 豊 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40267985)
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Keywords | エンドトキシン / LPS / アポトーシス / 肝細胞 / D-ガラクトサミン |
Research Abstract |
エンドトキシンとD-ガラクトサミンをマウスに投与すると、実験的エンドトキシンショックが誘導される。この実験的エンドトキシンショックの病態におけるアポトーシスの関与が検討された。エンドトキシンショック誘導マウスの各臓器からDNAを抽出し、アガロースゲル電気泳動で展開したところ、肝臓に明らかなDNA断片化が認められた。また、ニックエンド法で染色したところ、肝細胞が陽性に染まり、肝細胞がアポトーシスを起こしていることが明らかとなった。また、腎臓も陽性に染色される部分があった。エンドトキシンショック誘発マウスの血清とD-ガラクトサミンとの移入により、アポトーシスが誘導され、アポトーシス誘導に血清中の因子の関与が推定された。抗TNF抗体の投与によって肝アポトーシスが抑制されたことから、エンドトキシンによって遊離された血清中のTNFがアポトーシル誘導因子であることが推察された。TNFとD-ガラクトサミン投与によって、肝アポトーシスが同様に誘導されたことからもTNFの関与は明らかになった。その他のサイトカインによる作用は認められなかった。このエンドトキシンショックに伴った肝アポトーシスにFas抗原の関与を調べるために、Fes抗原陰性のMRL lpr/lprマウスを用いて検討したところ、同様に肝アポトーシスが起こったことから、Fas分子の関与はないと考えられた。以上の結果から、エンドトキシンショックの病態にアポトーシスが関与し、特にTNFが主要な作用分子であることが明らかになった。エンドトキシンショックにおいて、臨床的に肝壊死と呼ばれていた現象が実際は肝アポトーシスであることも示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Morikawa et al.: "Role of apoptotic cell death in response of D-galactosamine-sensitized mice to lipopolysaccharide as experimental endotoxic shok model." Infect. Immun.64. 734-738 (1996)
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[Publications] T.Yokochi et al.: "Lipopolysaccharide induces apoptotic cell death of B memory cells and regulates B cell memory in antigen-monspecific manner." FEMS Immunol. Med. Microbiol.15. 1-8 (1996)
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[Publications] T.Yokochi et al.: "Differential release of smooth type lipopolysaccharide from Pseudomonas aeruginpsa treated with cell wall active carbapenem antibitotics, and its relati to praduction of tumor necrosis factor alpha and mitric oxide." Antimicrob. Agents Chemother.40. 2410-2412 (1996)
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[Publications] N.Koide et al.: "Apoptotic cell death of vascular endothelial cells and renal tubular cells in the generalized Schuartzman reaction." FEMS Immunol. Med. Microbiol.(in press). (1996)
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[Publications] N.Paeng et al.: "Marked reduction of mouse peritoneal CD5+ B cells by intraperitonea administration of lipopolysaccharide." Infect. Immun.(in press). (1996)