1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670327
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
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Keywords | ジフテリア毒素 / ジフテリア毒素リセプター / DRAP27 / CD9 / インテグリンα3β1 |
Research Abstract |
ジフテリア毒素リセプター(DTR)複合体構成未知因子の探索 これまでのわれわれの研究から、DTRには、その活性を制御する膜蛋白質DRAP27/CD9及び細胞接着分子インテグリンα3β1がアソシエ-トして複合体を形成していることが明らかとなっているが、さらにこの複合体に別の複数の蛋白質が含まれることが、われわれのDTRに対するクロスリンク実験などから示唆されていた。そこで本年度はDTR複合体に含まれる未知の蛋白質の同定とDTR活性発現における機能の解析を目的として研究を開始した。 まずDTRと共沈降する蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体の作製を行なった。DTRを高発現しているサル腎由来Vero細胞の膜分画をマウスに免疫して、その脾臓B細胞からハイブリドーマを作製した。そしてVero細胞のライセ-トをジフテリア毒素(DT)及び抗DT抗体で免疫沈降したときの沈降物を特異的に認識するような抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングを行ない、複数のクローンを得た。これらのなかの一つで1C9-2と名付けたモノクローナル抗体の認識する抗原(分子量約19kDa)は、抗DTR抗体よりもDTを用いた免疫沈降においてのほうが、DTRとの共沈降が強く観察された。抗DTR抗体が複合体を形成していないフリーのものも含む全てのDTRに結合するのに対し、DTがCD9と複合体を構成しているDTRにのみ結合することを考えあわせると、1C9-2抗原もDTR活性に関与する新たな複合体構成因子であることが強く示唆された。現在この分子のcDNAのクローニングを行なっているところである。
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[Publications] Yasuhiro Nakamura, Ryo Iwamoto, and Eisuke Mekada: "Expression and distribution of CD9 in Myelin of the central and peripheral nervous systems." Am. J. Pathol.149. 575-583 (1996)
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[Publications] 岩本亮、目加田英輔: "ジフテリア毒素" 実験医学 増刊 GTP結合蛋白質. 14・2. 292-293 (1996)
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[Publications] 岩本亮、目加田英輔: "膜結合型増殖因子によるジャクスタクライン機構" 実験医学 増刊 細胞接着研究の最前線. 14・17. 100-105 (1996)