1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670372
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松下 操 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00165812)
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Keywords | マンノース結合蛋白 / 補体 / レクチン経路 / MASP / P22 |
Research Abstract |
血清レクチンのマンノース結合蛋白(MBP,最近MBLとも呼称される)は、C1r/C1s様のセリンプロテアーゼのMASPと複合体を形成しており、マンノース等の糖鎖を持つ微生物に結合後、レクチン経路を活性化することにより生体防御レクチンとして働いている。MBPには二つのタイプのMASP(MASP1とMASP2)が結合しており、C4,C2及びC3を分解する。私は、MBP画分には更に分子量22,000の蛋白(P22)が存在することを見出した。本研究の主目的はこのP22の構造と機能を解析して、レクチン経路の活性化機構を解明することであったが、初年度では、P22のcDNAと遺伝子解析から、これがMASP2のsplicing variantであることを明らかにした。本年度の得られた成果は次の通りである。 1)初年度に確立されたMASP1のELISAを用いてMASP1量を測定して、MBP量とは相関しないことを明らかにした。これに関連してMBPに結合しているMASP1の他に、ヒト血清中には非結合性のMASP1が存在することがわかった。 2)MASP1とMASP2の分離は困難であったが、部分精製したMASP1にC3分解活性が、一方MASP2にC4分解活性があると推定された。また、1)より明らかになったMBP非結合性のMASP1を精製したところ、MASP1にはP22が結合したタイプと非結合性のタイプが存在することがわかった。P22の推定される機能の一つとして、MASP1活性の阻害があるが、MASP1-P22にもC3分解活性があったことから、P22のこのような機能はないものと考えられた。
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[Publications] Terai Itaru: "Human serum mannose-binding lectin(MBL)-associated serine protease 1(MASP-1):Determination of levels in body fluids and identification of two forms in serum." Clinical and Experimental Immunology. 110. 317-323 (1997)
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[Publications] Matsushita Misao: "Complement-related serine proteases in tunicates and vertebrates." Carrent Opinion in Immunology. 10. 29-35 (1998)
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[Publications] Matsushita Misao: "MASP1" Immunobiology. (印刷中). (1998)
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[Publications] 松下 操: "補体活性化のレクチン経路とその生体における意義" 臨床免疫. (印刷中). (1998)
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[Publications] 松下 操: "補体系の進歩-レクチン経路の発見とその意義" Biomedical Perspectives. 6. 114-121 (1997)
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[Publications] Sato Rika: "Substances reactive with mannose-binding protein(MBP)in sera of patients with Rheumatoid Arthritis" Fukushima J.Med.Sci.(印刷中). (1998)