1996 Fiscal Year Annual Research Report
C/EBPファミリー遺伝子欠損マウスを用いた生体防御反応の解析
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08670380
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
吉田 進昭 大阪府立母子保健総合医療センター, 研究所, 部長 (10250341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 丘司 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 主任研究員 (80281690)
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Keywords | ジーンダーゲテイング / C / EBP / NF-IL6 / NF-IL6β / Ig / EBP / CHOP / 生体防御反応 / 転写因子 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続きC/EBPファミリー遺伝子を欠損するマウスの作成と解析を行った。 NF-IL6欠損マウスではin vivoにおいて精巣上体周囲の脂肪組織の発達が低下していることが明らかとなった。これはこれまでの脂肪細胞分化にはC/EBPやNF-IL6が重要であるというin vitroの実験結果と一致する。さらに個体レベルでの二次的な影響を除去するために、胎児繊維芽細胞をin vitroにてデキサメサゾン、インスリン、メチルイソブチルキサンチン存在下で培養した結果、対照マウスの繊維芽細胞は効率に脂肪細胞に分化したのに対してNF-IL6欠損マウスでは脂肪細胞に分化する割合が著明に低下していた。 NF-IL6β欠損マウスはさらに解析を続けたが、対照マウスと比較して著明な異常は観察されなかった。しかし、NF-IL6/NF-IL6βダブルノックアウトマウスにおいては、in vivo,in vitroともにNF-IL6単独欠損よりも著明に脂肪細胞の分化が障害されていた。このことは、脂肪細胞の分化には両者がともに重要であることを示唆している。 一方、CHOPはC/EBPファミリーに属するがDNA結合能を欠くために他のファミリー遺伝子とヘテロダイマーを形成してドミナントネがティブに作用すると考えているが、これを欠損マウスは現在のところ著明な異常は呈していない。今後のさらなる解析やダブルノックアウトマウスの作成が重要である。 またIg/EBPは生存マウスが非常に少なく、胎生期か出産直後の死亡が考えられるが、死亡原因はまだ特定できていない。
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