1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
津田 敏秀 岡山大学, 医学部, 講師 (20231433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 宏明 岡山大学, 医学部, 助手 (80273960)
三野 善央 岡山大学, 医学部, 助教授 (80181965)
青山 英康 岡山大学, 医学部, 教授 (40032875)
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Keywords | 疫学 / じん肺 / 粉じん曝露 / 肺癌 / その他の癌 / 症例対照研究 / メタアナリシス / 郵送調査 |
Research Abstract |
じん肺と肺癌の因果関係、あるいは粉じん作業と肺癌の因果関係を定量的に描出するために、昭和63年から平成5年までの東備保健所管内の全癌死亡者を死亡小票から抽出した。これらの癌死亡者の遺族の住所を特定し、このうち男性の癌死亡者の遺族に質問票を郵送し、粉じん曝露歴ならびに喫煙歴・就業歴・じん肺罹患の有無などを聴取した。「宛先不明」でもなく回答もない場合は、回答率を上げるために二度・三度と郵送を繰り返した。郵送した封書には、依頼状と共に質問票および記入のためのボールペンを同封した。癌死亡者の住所の特定は、死亡者の死亡診断書を書いた医療機関で許可を得てカルテを閲覧し、遺族の住所を特定するように努めた。 回答回収率が80%を越えたので、これらの回答結果をデータベース化し、分析を行う準備をした。今後このデータを、肺癌死亡例を症例群、その他の癌死亡例を対照群として症例対照研究の手法で解析してゆく方針である。 上記の作業と共に、関連文献の収集と整理を並行して行った。また、学会等でも情報の収集を行った。文献の収集は主にMEDLINEに基づいて行い、その結果をメタアナリシスの手法で定量的に統合することを試みた。その結果、じん肺と肺癌の関連は世界各国の研究においてその関係が定量的に示されてきていることが判明した。今後は、今回収集したデータをじん肺と肺癌の因果関係の定量的分析だけでなく、粉じん曝露と肺癌の因果関係の定量的分析に用いる重要性が増してきたと考えられる。
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