1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岩井 秀明 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90151703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細見 修 群馬大学, 医学部, 助手 (30134274)
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Keywords | 培養細胞 / 有機錫化合物 / レクチン / DNA損傷 / 分化誘導 / Friend細胞 / 白血病細胞 / DMSO |
Research Abstract |
培養細胞を用いて有機錫化合物やレクチン類の添加時のDNAへの影響を,DNA損傷物質(8-CHdG)量の変化や遺伝子発現の面より解析することを目的とした.平成8年度の計画のうち1.細胞の培養では白血病細胞株8種類の培養が可能となった.2.有機錫化合物,レクチン類の細胞増殖への影響ではまず有機錫化合物では分化度の異なりも考慮に入れ検討を行った.リンパ系細胞株は骨髄系細胞株に比らべ有機錫化合物の毒性を受けやすく,中でもT細胞株(Molt-3,Molt-4)により強い毒性が表われた.また分化の進行程度の面からみると,未分化の細胞により毒性が見られる傾向が観察された.有機錫化合物の中ではジブチル錫の毒性が強く,ジブチル錫による胸腺萎縮のin vivoの報告などと考え併わせると,興味深い結果が得られた.3.有機錫化合物,レクチン類の分化誘導活性の有無及びDMSOなどの分化誘導剤による分化誘導に対しての抵抗性の有無の検討では,有機錫化合物では分化誘導活性が見られなかった.しかしDMSOによるFriend細胞の分化誘導実験ではジブチル錫に10〜20%の抵抗性が見られた.その機構を検討したところ,ジブチル錫とDMSOを事前に混合したものを培養細胞に添加すると,事前の混合時間が長い程,強い抵抗性(80%)がみられた.今後はこの現象の生物学的意義について解析する予定である.
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