1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 仁志 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70197622)
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Keywords | HDL / コレステロール / コレステリルエステル転送蛋白 / HDL受容体 |
Research Abstract |
平成8年度は高HDLコレステロール血症の未知の病因を解析するための実験系の確立を主な目標に研究を進めてきた。中でも,MDEゲルを用いてのヘテロデュープレックス解析により未知変異のヘテロ接合体を検出するシステムを確立することが重要目標であったが,CETP遺伝子に関してはこのシステムは確立でき,実際の高HDLコレステロール血症患者に適用中である。また,CETP遺伝子の全エクソンのDNAシークエンス解析システムも順調に稼働しはじめた。まだ,新奇な変異型を発見するに至ってはいないが,それを発見できる条件は整備されたといえる。平成8年度の間に既知のCETP遺伝子異常例を数多く集積することができ,各遺伝子型におけるHDLサブクラスの定量的および定性的研究をJournal of Lipid Researchに発表することができた。HDL-binding proteinについても実験中であるが,昨年,Science誌に,HDL-binding proteinよりもHDL受容体候補として疑わしいスカベンジャー受容体(SR-BI)が報告されたことに配慮し,研究の力点をHDL-binding proteinからSR-BIに移す方向で実験を進めている。フローサイトメーターを用いてのHDL受容体欠損のスクリーニングは,HDLの蛍光標識は完了し,リンパ球の培養条件が決定された段階に達しており,今後は実際に高HDL血症患者に適用する。phospholipid tranfer proteinに関してはまだ成果が上がっていないが,今後研究を進める予定である。
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