1998 Fiscal Year Annual Research Report
地域における発達障害児の早期発見と家族への支援のシステム化に関する研究
Project/Area Number |
08670414
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
生地 新 山形大学, 医学部, 講師 (20185177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 仁 山形大学, 医学部, 助教授 (50250808)
久米 和興 山形大学, 医学部, 教授 (40153358)
森岡 由紀子 山形大学, 医学部, 助教授 (70113983)
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Keywords | 発達障害 / スクリーニング / 地域 / システム / 精神発達遅滞 / 言語発達 / 気質 / 遠城寺式 |
Research Abstract |
【目的】本研究では、発達障害児を1歳半検診の時点で的確に把握するための質問紙を開発することと家族(親)がどのような支援を求めているかを明らかにすることを主要な目的としている。 【方法】対象は、平成8年1月から平成9年9月までの23ヶ月間に山形県米沢市の1歳半健診を受診した児とその親である。対象者に発達に関するチェックリストを送付し回答してもらった。これはELMS(Coplan J)と遠城寺式発達検査から1歳半前後の発達を示す項目をそれぞれ15項目と11項目選び出して作成したものである。このチェックリストでELMSの5項目以上か遠城寺式の6項目以上該当の児について小児科医が診察した結果遅れがあると判定した100名(遅れ群)と遅れのない児から抽出した100名(対照群)を3歳まで追跡調査した。平成9年7月から平成11年2月までの間に3歳時の追跡調査を会場に呼び出す形で施行した。追跡調査では、鈴木ビネー式の知能検査と遠城寺式発達検査を施行した上で、児童精神科医による発達診断を施行した。また1歳半時と3歳時に、養育者がどのような支援を求めているかを評価した。 【結果】3歳時点まで追跡できたのは遅れ群45名、対照群47名であった。平均知能指数は遅れ群では検査不能4例をのぞくと102であり、対照群では117であった。遅れ群の3歳時の発達診断の内訳は、中等度遅滞5例、軽度遅滞14例、境界線12例、正常14例であり、多動傾向は7例に認められた。対照群では、正常46例、軽度遅滞1例であり、多動傾向は2例に認められた。以上より、本研究で用いたスクリーニング法の有用性が示された。また、具体的な育児の方法の相談システムや早期の教育的プログラムや心理社会的な困難を持つ親への特別の育児支援プログラムの提供の必要性が明らかになった。
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