1996 Fiscal Year Annual Research Report
地域の高齢者におけるうつ病の頻度および危険因子に関する疫学的研究
Project/Area Number |
08670422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川上 憲人 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90177650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90073139)
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Keywords | 高齢者 / うつ病 / 有病率 / 危険因子 |
Research Abstract |
高齢者におけるうつ病の有病率および危険因子を明らかにするために、地域の50歳以上の住民からの無作為抽出標本に対する疫学調査を実施した。岐阜県T市の50歳以上中高年者約2万名から無作為に抽出した500名に対して、訓練を受けた8名の面接員が訪問面接調査を実施し、1996年12月20日までに205名(40%)から回答を得た。面接には、WHOの統合国際診断面接(Composite International Diagnostic Interview,CIDI)1.1版のミシガン大学修正版(UM-CIDI)日本語版から、全般性不安障害、大うつ病、躁病およびアルコール・薬物依存症のセクションを使用した。CIDIの面接結果から、DSM-III-RおよびICD-10診断基準に基づいた全般性不安障害(不安神経症)、うつ病(大うつ病)、気分変調症(抑うつ神経症)およびアルコール・薬物依存症の診断を行なった。このほか基本的属性、身体的健康、社会的支援を面接により評価した。調査では同時に、自己記入式質問票によって生活満足度(PGCモラール尺度)、社会活動の程度(社会活動調査票)、過去1週間の抑うつ症状(CES-D尺度)を測定した。回答者におけるうつ病の時点有病率は0.5%、生涯有病率は5.0%であった。全般性不安障害の時点有病率は0%、生涯有病率は3.2%であった。診断基準を満たす躁病エピソードはなかった。平成9年度はさらに調査を継続するとともに、危険因子の解析を行なう予定である。
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