1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小西 正光 愛媛大学, 医学部, 教授 (40274328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新開 省二 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60171063)
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Keywords | 循環器検診 / リスクファクター / 脳動脈硬化 / 頚部超音波検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来の循環器検診を見直し、変貌しつつあるわが国の循環器疾患を予防するための新しい検診方式について検討することにある。すなわち、ライフスタイルが異なる、都市と農村集団において、現在実施されている老人保健法に基づく循環器検診に頸部超音波検査を加え、頸部脳動脈硬化の地域差やその危険因子について検討し、循環器検診への超音波検査導入の方法と意義を明らかにすることである。現在までの研究実績の概要は以下の通りである。 大阪府S市住民のうち、50〜79歳の男女計約2000人を対象に循環器検診を実施した。そのうち、無作為に736人を抽出し、頸部超音波検査を施行した。循環器疾患危険因子と頸部動脈硬化所見との関連について検討した結果、頸部動脈病変と循環器疾患危険因子との間には有意な関連が認められた。また、危険因子保有数が増加するに従い、頸部動脈硬化度は強くなることを認めた。このことから、従来の循環器検診により危険因子を持つ人をスクリーニングした上で、二次検査として頸部超音波検査を実施し、頸部動脈病変を有するハイリスク者を把握することは、循環器疾患予防対策を推進していく上で効率よい、効果的な方法と考えられた。 愛媛県O市においては、30歳以上の住民を対象に、老人保健法に基づく基本健康診査を実施し、現在までに3520人が受診した。調査票および検診成績を分析するためのデータ整理、コンピュータの入力作業を実施中である。今後、大阪府S市のデータと比較していく予定であるが、現時点での成績では、農村地域であるO市においては、血圧レベルは高く、血清脂質レベルはやや低い傾向を認めている。次年度に向けて、危険因子保有数別に超音波検査対象者の名簿を作成中である。
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