1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670435
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小西 正光 愛媛大学, 医学部, 教授 (40274328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新開 省二 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60171063)
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Keywords | 循環器検診 / リスクファクター / 脳動脈硬化 / 頸部超音波検査 |
Research Abstract |
農村的色彩の強い愛媛県O市住民を対象に、健康検査、頸部超音波検査、食習慣調査及び脳卒中発症調査を実施した。また、比較のために、都市的色彩の強い大阪府S市住民を対象に健康検査及び頸部超音波検査を実施した。 愛媛県O市では1996年、97年の2年間にわたって40歳以上の4302名(男1465名、女2837名)に循環器検診を実施した。検診受信者のなかから無作為に抽出した対象者(男167,女57,計224名)に頸部脳動脈超音波検査を施行した。また、検診受信者の中から無作為に抽出した1619名(男442名,女1177名)に食習慣アンケート調査を実施した。脳卒中発症調査については、O市住民の脳卒中発症例のほとんどが市内の基幹病院である5医療機関において診断治療が行われていることが確認できたので、今回の発症調査では、1994,1995年の2年間にこの医療機関を受診した180例(男90例、女90例)について、診療録、CT所見の採録を行った。 一方、大阪府S市においては、1996年に40歳以上の住民3380名(男1438,女1942名)に循環器検診を実施した。また、検診受信者のなかから無作為に抽出した736名(男360名、女376名)を対象に頸部超音波検査を施行した。 上記の調査成績をもとに、都市であるS市と農村であるO市の比較、さらにはO市のなかで、都市的色彩の比較的強い中心部と、それを囲む周辺部、山間部との間での比較を行った。その結果、生活環境が都市化すればするほど、比較的太い動脈の硬化に基づく循環器疾患の発症が危惧されること、しかもわが国では都市部、農村部を問わず、近年のライフスタイルが欧米化傾向にあることから、今後の循環器疾患予防対策を効率よく、効果的に進めていくためには、従来の循環器検診に加えて、頸部超音波検査を導入し、頸部動脈病変を有するハイリスク者を早期に把握することが重要であると考えられた。
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