1996 Fiscal Year Annual Research Report
母乳の感染防御機能に関する研究-母乳栄養児の咽頭常在菌について-
Project/Area Number |
08670444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
外間 登美子 琉球大学, 医学部, 助教授 (60045242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 いそえ 琉球大学, 医学部, 助手 (60253960)
高嶺 房江 琉球大学, 医学部, 助手 (80045062)
屋良 朝雄 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70166841)
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Keywords | 母乳栄養 / 感染防御 / 咽頭常在菌 |
Research Abstract |
平成8年10月より、健康な一般乳児25例を対象として、前方視的に生後1ヵ月より、健康診査と咽頭常在菌の検査を実施した。 コロニーの形態、グラム染色、カタラーゼテスト、オキシダーゼテスト、コアグラーゼテストおよび高層培養によりα-Streptococcus、γ-Streptococcus、Staphylococcus、Micrococcus、Neiseria speciesに分類した。病原菌については各コロニーの増菌培養の後に市販のキットを用いてS.pneumoniae、H.influenzae、S.aureus S.pyogens、M.catarrhalisを同定した。結果は、下記の通りであった。 (1)α-Streptococcusの検出頻度は、母乳、混合、人工群ともに100%であった。γ-Streptococcusの検出頻度は、母乳群62.5%、混合群36.4%、人工群100%であり、栄養法別に一定の傾向はみられなかった。 (2)Coagulase-Negative StaphylococcusとMicrococcusの検出頻度は、栄養法により若干の差がみられ、母乳群で最も少なくなっていた。 (3)グラム陰性菌の検出頻度は、母乳群12.5%、混合群36.4%、人工群83.3%となっており、栄養法別に差がみられ、母乳群で最も少なかった。 このように、乳児の咽頭常在菌は栄養法により差のあることが示された。その理由として、母乳の組成や母乳中の免疫物質の関与が考えられる。現在、乳児の咽頭常在菌の経時的変化を栄養法別に検討しており、平成9年度にはその分析結果を加えて報告する。
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