1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小笹 晃太郎 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20204191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出島 健司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80217447)
竹中 洋 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40137162)
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Keywords | スギ花粉症 / アレルギー疾患 / 疫学 / IgE抗体 / 生活習慣 |
Research Abstract |
京都府南部のある町の唯一の公立小中学校の児童生徒を対象として、1996年5月に質問票による調査と血清検査を行った。当年の当地域の2〜4月のスギおよびヒノキ花粉飛散量はダ-ラム式補集法によりスギが合計633個、ヒノキが合計119個とかなり少量であった。但し前年はスギが5,941個、ヒノキが15,331個と稀になる大量飛散であった。小学校在籍者377人のうち345人、中学校在籍者204人中165人に血清検査を行ったところ、実施者のうちスギ花粉特異的Ig抗体陽性者(CAP-RASTスコア1以上)は小学生の39%、中学生の53%、ダニ抗体陽性者はそれぞれ39%と48%、総IgE抗体価高値の者(259U/ml以上)はそれぞれ22%と31%であった。質問票に回答のあった小学生346人と中学生174人のうち、当年3月〜4月にスギ花粉症様症状(しくゃみ、鼻みず、鼻づまり、鼻がかゆい、目がかゆい、涙が出る、目がごろごろするのいずれか)が出た者はそれぞれ55%と65%であり、症状が3週間以上続いて者21%と23%であった。例年そのような症状が出るという者はそれぞれ39%と42%、それが3週間以上続く者は19%と20%であった。当年および例年の症状と血清検査を組み合わせた判定が行えた者は小学生318人と中学生158人であり、スギ抗体が陽性で症状が3週間以上維持する者(スギ花粉症確実者)は15%と20%、症状が少しでも出現する者(スギ花粉症疑い者、但し確実者を除く)は14%と20%であった。なお、上記の結果について男女差はみられなかった。スギ花粉症の症状はスギ花粉飛散量に依存するため、例年の症状を質問すると答が曖昧になると思われた。したがって、疫学調査では、一般的なスギ花粉症有病率という概念よりも、ある特定のスギ花粉飛散量におけるスギ花粉症有病率を提示する必要性が高いと考えられた。
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