1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670448
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
小笹 晃太郎 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20204191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出島 健司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80217447)
竹中 洋 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40137162)
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Keywords | スギ花粉症 / 免疫 / 疫学 / IgE抗体 / 生活習慣 / アレルギー疾患 |
Research Abstract |
過去2年と同じ小中学校の児童生徒を対象として、1998年5〜6月に質問票による調査と血清検査を行った。当年の当該地域の2〜4月のスギおよびヒノキ花粉飛散量はダーラム式補集法によりスギが合計799個、ヒノキが合計467個と比較的少量であった。小学校在籍者340人のうち273人、中学校在籍者194人中167人に血清検査を行ったところ、スギ花粉特異的IgE抗体の分布は陰性が57%、CAP-RASTスコア1が4%、2-3が24%、4以上が15%であり、前年に比べてやや低く、前々年とほぼ同様であり、スギ花粉飛散量に対応していると思われた。ダニ特異的IgE抗体の分布は、陰性が60%、CAP-RASTスコアlが7%、2-3が16%、4以上が17%であり、前年、前々年とほぼ同値であった。質問票に回答のあった小学生281人と中学生167人のうち、当年3〜4月にスギ花粉症様症状(くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、鼻がかゆい、目がかゆい、涙が出る、目がごろごろするのいずれか)が出た者(疑い症状者)は57%であり、症状が3週間以上続いた者(確定症状者)は20%であった。 この子供達が生まれた直後のスギ花粉飛散量の記録(1982年以降)と、1995〜98年の本研究におけるスギ花粉特異的IgE抗体陽性者の割合を比較してみると、10月から1月にかけて生まれた子供(生後6ヶ月以内にスギ花粉飛散シーズンに遭遇する)では、他の季節に生まれた子供よりも、スギ花粉に感作されるリスクが高く、特に多量飛散シーズンを生後早期に経験した子供でそのリスクが高いことが示された。 また、1994年からの継続受診者の解析を行ったところ、スギ花粉による感作には家の状況はあまり影響を与えなかったが、観察期間中のダニ抗体の新規陽性化例対しては、住宅の風通しがよくないこと、暖房に石油ストーブを使用していることのリスクが高かった(後者での相対危険度=3.42(95%信頼区間:1.26-9.23)。
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Research Products
(1 results)