1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクタ・ピロリ感染の家族集積性に関する血清疫学的研究
Project/Area Number |
08670449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡辺 能行 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00191809)
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Keywords | ヘリコバクタ・ピロリ感染 / 家族集積性 / 疫学 |
Research Abstract |
モデル地区において1995年の検診や1診療所での診療の残余血清を保存していた男性1,127人、女性1,469人、合計2,596人の血清ヘリコバクタ・ピロリ抗体(Ig-G抗体)の測定を完了した。 使用キットの判定基準のヘリコバクタ・ピロリ抗体(Ig-G抗体)が20units/ml以上を感染陽性と定義した。対象集団のうち、感染者数(感染率)は男女合計で1,156人(44.5%)であった。性別では、男性で527人(46.8%)、女性で629人(42.8%)と男性の方が若干高率であった。 性別・年齢階級別のヘリコバクタ・ピロリ感染率は、男性では、0-19歳で14.0%、20-29歳で21.6%、30-39歳で40.2%、40-49歳で48.5%、50-59歳で63.0%、60-69歳で65.7%、70-79歳で68.5%、80歳以上で50.0%であった。また、女性のヘリコバクタ・ピロリ感染率は、0-19歳で11.0%、20-29歳で25.0%、30-39歳で30.4%、40-49歳で49.8%、50-59歳で51.6%、60-69歳で57.5%、70-79歳で50.7%、80歳以上で36.0%であった。男女とも加齢とともに感染率が上昇し、男性は70歳代に、女性は60歳代にピークをもち、それよりも高齢では逆に感染率は減少していた。特に20歳未満の若年者では男女とも感染率が10%台と低率であった。 上記の2,596人のうち、10歳代の295人については個人の同定資料を収集することが出来なかったが、他の2,301人については収集できた。現在、対象者のうち同一の家族成員の同定作業を進めている段階であり、今後ヘリコバクタ・ピロリ感染の家族集性を検討する予定である。
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