1997 Fiscal Year Annual Research Report
中高齢者における体力水準の健康影響に関する分析疫学的研究
Project/Area Number |
08670453
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Research Institution | WAKAYAMA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
坂田 清美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50225794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50217915)
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Keywords | 健康増進センター / コホート研究 / 死亡率 / 体力検査 |
Research Abstract |
全国4か所の健康増進センターを1983年から1987年に受診した40歳以上の男女4771人(男2323人、女2448人)を対象として、運動習慣、生活習慣および反復横飛び、立位体前屈、上体起こし、握力、垂直飛び等の体力水準について調査した。この受診者を平成8年まで追跡した結果、4692人の転帰を確認することができた。死亡者は男168人、女51人の計219人であった。悪性新生物による死亡割合は男40.5%、女37.3%、循環器疾患は男18.5%、女19.6%と全国の死亡割合に比べ悪性新生物による死亡割合が高い結果となった。 体力水準と死亡の関連についてCoxの比例ハザードモデルを用いて解析した結果、性年齢を調整したハザード比は、反復横飛びが標準未満のものは標準以上のものに比べ1.46(95%信頼区間1.04-2.05)、垂直飛び1.60(1.09-2.36)と有意に総死亡の危険が高い結果となった。立位体前屈についてはハザード比が1.35(0.95-1.90)と5%水準では有意でなかったが、負の関連がみられた。同様に悪性新生物死亡についてみると、垂直飛びが標準未満のものでは標準以上のものに比べハザード比が1.60(1.09-2.36)とリスクが高かった。循環器疾患死亡では垂直飛びが標準未満のものは以上のものに比べハザード比が3.81(1.64-8.84)と有意に高い結果となった。また、反復横飛び、立位体前屈、上体起こし、握力、垂直飛びのうち2つ以下しか標準以上でなかったものは3つ以上標準以上であったものに比べ循環器疾患の死亡のハザード比は2.76(1.07-7.07)と約3倍高い危険となった。これらの関連は、喫煙歴を調整しても同様の傾向がみられた。 体力標準の低いものでは、総死亡、悪性新生物死亡、循環器疾患死亡のいずれかもリスクを上げていたことから、中高年者の体力水準の向上により、死亡のリスクを低下させることが期待できると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] YOSIKAZU NAKAMURA: "Relationships Between Smoking Habits and Other Behavior Factors Among Males : From the Results of the 1990 National Cardiovascular Survey in Japan" Journal of Epidemiology. 6(2). 87-91 (1996)
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[Publications] JUN HIRAOKA: "A Comparative Epidemiological Study on the Effects of Physical Fitness on Health Level" Journal of Epidemiology. 6(3). 120-127 (1996)