1996 Fiscal Year Annual Research Report
更年期女性の骨強度・骨代謝マーカーに及ぼす身体活動量の影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
08670460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
鷲見 勝博 中京大学, 教養部, 教授 (60247608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 好郎 中京大学, 教養部, 教授 (10065245)
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Keywords | 更年期女性 / 骨代謝マーカー / 骨強度 / 嫌気性代謝閾値 / 閉経 / 運動 |
Research Abstract |
本研究では、更年期女性の骨強度、骨代謝マーカーに及ぼす嫌気性代謝閾値相当の心拍数をターゲットとした運動療法の影響を閉経前後及び1年間の運動療法実施前後で検討した。 対象は41歳〜59歳の女性46名であった。運動群は定期的なランニング習慣を有する長距離ランナーで,閉経前群10名(平均年齢43.9【.±.】4.6歳)、閉経後群15名(52.9【.±.】4.1歳)であった。対照群は運動習慣を有さない21名で、閉経前群10名(46.3【.±.】4.3歳)、閉経後群11名(54.9【.±.】5.3歳)であった。骨強度は超音波骨密度測定装置を用い右足踵骨のSOS,BUAを測定した。骨代謝マーカーは、PTH、CT、BGP、Alp、Caを測定した。運動群に対して、初回運動負荷試験から嫌気性代謝閾値を算出した。尚,同様の測定を1年後に実施した。解析はpaird t-test、分散分析を用いた。以下に結果を示す。 1)対象者の年齢と身体特性をみると、両群の形態には差が認められなかった。2)骨強度をみるとSOSでは閉経前運動群が閉経前対照群に対して有意の高値を示したが(p<0.05)、1年後の測定値間にはいずれの群も差を認めなかった。これに対して、BUAは閉経前後の両群とも差異が認められなかったが、1年後の測定値では閉経前後ともに運動群での有意の高値を示した(p<0.01)。3)骨代謝マーカーのうちCaでは、閉経前後とも運動群で年次低下を示し、CTでは閉経後運動群のみで有意の年次低下を示した(p<0.01)。また、BGPは、閉経前後ともに運動群で年次上昇を示した(p<0.01)。 これらのことから、嫌気性代謝閾値相当の心拍数をターゲットとした1年間の運動療法は、運動群の骨強度及び骨代謝マーカーの面で良好な結果を得た。
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