1996 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性食物繊維の過剰摂取による結腸癌の発生率増大に関する研究
Project/Area Number |
08670465
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Musashigaoka College |
Principal Investigator |
西宗 高弘 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 教授 (60034930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 英規 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 助手 (00279605)
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Keywords | dietary fiber / colon cancer / water soluble dietary fiber / water insoluble dietary fiber / intake ratio |
Research Abstract |
わが国で見られる一部健康飲料や経腸輸液に添加されている水溶性食物繊維の発癌促進の可能性を検討するため、ラットの化学発癌率に対する水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の影響を検討し、以下の結果を得た。 S.D.系ラット120匹の1,2ーdimethylhydrazine(20mg/Kg、1回/週、12週間投与)による結腸癌の化学発癌率は28週間飼育後、飼料中に食物繊維を投与しない群に比べグアガム部分分解物(以下SDF-GUA)の投与によって上昇傾向を示し、更にSDF-GUAのみからの一部を8:4あるいは6:6の割合でセルロース(以下IDF-CEL)に置換すると上昇は抑制された。SDF-GUAは盲腸内pHを酸性にする傾向が見られたが、IDF-CELはその傾向を抑制した。SDF-GUAは小腸、大腸の長さを延長したがIDF-CELはその延長を抑制した。これらの傾向は何れもIDF-CELの割合が大きいほど顕著であった。糞の湿重量はIDF-CELが多いほど重かった。糞中の水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の定量を一部の検体につき実施したところ、SDF-GUAは18週目ではほぼ分解されていたが、IDF-CELは殆ど分解されずに排出されていた。SDFによる化学発癌率の上昇の報告は多いが、IDFによりこれが抑制される事がほぼ明らかになった事から、ヒト食生活においてもIDF/SDF摂取量比が著しい偏りを示す食生活は望ましいとは言えず、食生活指導の対象になるものと考えられる。
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