1998 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性食物繊維の過剰摂取による結腸癌の発生率増大に関する研究
Project/Area Number |
08670465
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Research Institution | Musashigaoka college |
Principal Investigator |
西宗 高弘 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 教授 (60034930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 英規 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 助手 (00279605)
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Keywords | dietary fiber / colon cancer / water insoluble dietary fiber / water soluble dietary fiber / intake ratio |
Research Abstract |
水溶性食物繊維(以下SDF)の摂取による動物の化学発癌率の上昇を報告した文献は多いが、我々も8年度及び9年度の研究でこれを確認するとともに、更に不溶性食物繊維(以下IDF)の摂取が発癌率の上昇を抑制する事を示す事が出来た(平成9年度実績報告)。しかし、この発癌実験ではIDFによる発癌率の抑制に関して統計学的に有意な結果として示す事が出来なかった。そこで、最終年度ではあるが、いくつかの実験条件(ラット系統の選択、n-6系脂肪酸の増量等を含む)につき改良しながら再度発癌実験を実施した。その結果、前回の実験とは異なって、肉眼的に判定した腫瘍数ではあるが、明らかに統計学的に有意差をもってSDFの摂取により化学発癌率は上昇し、IDFの摂取によってこれがほぼ完全に抑制された。現在、病理学的な組織検査を行っている。また、前回報告した盲腸内pH酸性化のIDFによる抑制、大腸、盲腸、小腸の重量増や延長のIDFによる抑制その他の結果はほぼ全部再確認する結果となり、新たに糞便中の発癌関連酵素活性の測定、盲腸中の短鎖脂肪酸の測定など追加項目についても実施したところ、SDFとIDFのバランスある摂取が動物の大腸癌の化学発癌率を抑制することを支持する結果を得た。これらの事から、病理学的検査の結果を待って、人の食生活においてもIDF/SDF摂取量比が著しい偏りを示す食生活は望ましくない事を、研究論文として報告する予定である。
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