1997 Fiscal Year Annual Research Report
魚介類が血中脂肪酸・脂質・及び凝固線溶系因子に及ぼす影響に関する無作為化比較実験-魚介類の種類による影響の相違-
Project/Area Number |
08670466
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Research Institution | Tokyo Bunka Junior College |
Principal Investigator |
梅村 詩子 東京文化短期大学, 家政科, 教授 (50269437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 稔 大阪府立成人病センター, 集検工部, 部長
石森 眞子 東京文化短期大学, 家政科, 講師 (30248942)
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Keywords | 魚介類の摂取 / n3系不飽和脂肪酸 / 介入実験 / 血清脂質 / 血清脂肪酸構成 / エイコサペンタエン酸 / ドコサヘキサエン酸 |
Research Abstract |
魚介類に多く含まれているn3系多価不飽和脂肪酸が、血清脂質とともに虚血性心疾患の予防に関与しているといわれている。若年者は油脂、肉類の摂取が多く、魚介類の摂取が極端に少ないことから魚介類の摂取を勧める指導と教育が必要である。昨年度は適切な魚介類の摂取方法を検討するため、食物栄養コースの女子学生39名を、背の青い魚群(いわし、さんま、さば等)14名、白身魚群(たい、たら、かれい等)15名、対照群(魚介類を摂取せず)10名に無作為に分けた。今年度は、n3系多価不飽和脂肪酸の増加が見られた背の青い魚群の人数を増やして、再度介入実験を実施した。1日に80〜100gの魚介類を2週間摂取してもらい、摂取開始時、摂取終了時、終了2週間後に採血し、同様に血清脂肪酸、血清脂質(総コレステロール、HDL-コレステロール、トリグリセリド)、凝固線溶系因子(フイブリノーゲン、tPA、PAI-1)を分析した。集計は、平成8年、9年度の合計で、魚介類摂取は39名、対照群35名で行った。摂取2週間後、背の青い魚群の血清脂肪酸構成においては、飽和脂肪酸は有意な変化は認められなかった。一価不飽和脂肪酸は、摂取終了時に24.2%から22.1%と有意に減少した。多価不飽和脂肪酸は50.0%から51.2%へ増加傾向を示した。特にn3系不飽和脂肪酸は、開始時6.8%から摂取終了時に9.7%と有意に増加した。EPA.DHAも同様に増加した。n3/n6比は摂取開始時0.16から摂取終了時0.24へ増加した。いずれも、終了2週間後には摂取開始時の値まで減少した。対照群では大きな変動は見られなかった。また背の青い魚群においては、血清脂質の中のトリグリセリド値66→58mg/dlの減少傾向を認めた。HDL-コレステロール値は66→69mg/dlへ有意に増加した。以上のことから、背の青い魚の摂取により、血清中n3系不飽和脂肪酸の増加、特にEPA、DHAの増加をもたらすことが認められた。背の青い魚の継続的な摂取の重要性が立証された。
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Research Products
(2 results)