1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい逆相クロマトグラフィーによる薬毒物の検出-ベンゾジアゼピン系薬剤の一斉分析について-
Project/Area Number |
08670476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 榮之介 筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
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Keywords | ベンゾジアゼピン薬剤 / 高速液体クロマトグラフィー / 生体試料 / 2-ミクロン充填剤 / 法医中毒学 |
Research Abstract |
法医中毒の分野において,種々の生体試料から,常に迅速,高感度,高分離の薬毒物の分析が要求される。最近,従来の充填剤に比較して3分の1くらい小さい細孔容積(pore volume)および比表面積(specific surface)の充填剤が開発された。このカラムを用いる事により従来の測定法より,さらに高感度で高分離かつ迅速な測定が期待出来る様になった。我々は今までにこのカラムを用いて,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で抗てんかん薬などの一斉測定法を開発し,良好な結果を得てきた。 平成8年度は,中毒事件の多い薬毒物のうち,ベンゾジアゼピン系薬剤の一斉分析をこの新しいparticle size 2-μmの逆相(reversed-phase)充填剤のカラム(TSKgel Super-ODS)を用いて行い、従来汎用されている充填剤(particle size 5-μm ; TSKgel ODS-80Ts)を用いたカラムでの測定とその迅速性(時間)・経済性(経費)について比較検討した。 その結果,この充填剤を用いる事により従来の測定方法より,本法のほうが1)室温でもまたgradient elutionをしなくても迅速な測定が期待できる(保持時間の短縮),2)有機溶媒の量が少なくてすむ(流量の減少),3)より高感度に測定出来る等の利点がある事が判明した。この事は,環境問題,経済性の面でも有益であった。 平成9年度は,抗うつ薬についても検討する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tanaka E.,Terada M,Misawa S.and Wakasugi C.: "Simultaneous determination of eight antiepilepticdnigs in human serum using a new reversed-phase chromatographic column based on a 2-micrometer porous microspherical silica gel." Jap.J.Forensic Toxicol.13・1. 182-190 (1996)