1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト及び各種霊長類動物間にみられる血液型糖転移酵素を規定する遺伝子の差異について
Project/Area Number |
08670480
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高安 達典 金沢大学, 医学部, 助教授 (80154912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権(近藤 (稔和) 金沢大学, 医学部, 講師 (70251923)
大島 徹 金沢大学, 医学部, 教授 (40183024)
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Keywords | 法医血清学 / 人獣鑑別 / ABO式血液型糖転移酵素 / ポリメラーゼ連鎖反応 / 制限酵素断片長多型 / 直接DNAシークエンス法 / 霊長類動物 / DNA |
Research Abstract |
人獣鑑別の観点から,ABO式血液型を規定する糖転移酵素DNAに着目し分子遺伝学的に解析した。ヒトと8種の霊長類動物(チンパンジー,シロテナガザル,ヒヒ,日本ザル,カニクイザル,アカゲザル,ミドリザル,フサオマキザル)の血液を用いて,常法によりDNAを抽出した。続いて,ABO式血液型を規定する糖転移酵素の562番目から742番目に相当する181bp断片に注目し,ヒト及び霊長類動物における同部位のDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応一制限酵素断片長多型(PCR-RFLP)及び直接シークエンス法で分析した。その結果,PCR-RFLP法で,ヒト,チンパンジー及びミドリザルの181bp断片は,制限酵素HhaI消化により147と34bpの断片(計2本)に切断され,これら以外の霊長類動物では115,34及び32bpの断片(計3本)に切断された。一方,チンパンジー及びミドリザルの181bp断片は制限酵素Mval消化により,82,58及び41bp,並びに69,58及び54bpの断片(計3本)に各々切断され,ヒトやその他の霊長類動物では123及び58bpの断片(計2本)に切断された。両制限酵素の結果から,PCR-RFLP法でヒトはチンパンジー等8種の霊長類動物から区別しうることが示された。更に、この181bp断片の直接DNAシークエンス法でも,上述のPCR-RFLP法の結果に一致する点突然変異が確認され,両者間に矛盾はなかった。ヒトのA型糖転移酵素のDNA塩基配列と比較して,これらの点突然変異数はチンパンジー等ヒト上科で2カ所,日本ザル等の旧世界ザルで3カ所,フサオマキザル(新世界ザル)で7カ所認められ,この結果は霊長類進化における系統樹と良く一致していた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Lin.Z.et al.: "Difference of Mva-I Recognition Site at ABO Locus between Human and Chimpanzee Examined by PCR-RFLP and Direct Sequencing." Abstracts of 14th Meeting of the International Association of Forensic Science. 100- (1996)
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[Publications] 林子清他5名: "PCR-RFLPとDirect Sequencing法を用いたヒトと霊長類動物の種属鑑別" 第33回日本犯罪学会総会抄録集. 11- (1996)